2009年11月11日 (水)

平成21年度第1回入管実務研修会

参加人数の多さ

11月10日(火)東京入国管理局統括審査官2名を講師とする実務研修会がありました。少し早目に会場についたのですが、受付がとても混んでいたので、ちょっと驚きました。330人以上の参加があったそうです。行政書士業務にとって、入管手続の比重が高いことを示していました。

1時限目は、在留資格審査業務「就労」でした。雇用状況悪化に伴う外国人の在留に関する取扱いという項目が、すぐに参考になりそうです。①雇用先企業から解雇または雇い止めの通知を受けた場合の取扱い②雇用先企業から待機を命ぜられた場合の取扱い、という2つの内容です。①では、現に有する在留期限あるいは資格外活動90日以内を認め、在留資格としては、短期滞在への変更を都合2回まで認めてくれるそうです。②の場合は、やはり包括的な資格外活動90日を認めて、滞在期間満了後には、短期滞在に変更するのですが、復職の際でも、1ヶ月を超えない範囲で、在留期間変更申請を預って、復職の職務内容を確認してから許可をするとのことです。

2時限目は、改正入管法の概要でした。公布の日から3年以内に施行される在留カードや特別永住者に係る措置、そして、1年以内の①外国人研修制度の見直し②在留資格「留学」と「就学」の一本化などの内容です。①については、「技能実習」という在留資格になります。②については、「留学」となり、教育機関別に管理するそうです。また、資格外活動や再入国は、一本化になる方向です。

在留期間の満了の日までに申請をした場合、申請に対する処分が在留期間の満了までにされないときは、その在留期間の満了後も、処分がされる日または従前の在留期間の満了の日から2ヶ月を経過する日のいずれか早い日まで、引き続いて在留することができる、という規定が1年以内にできます。資格外活動や再入国についても認められるようです。

9月1日からの新申請書についての説明と質問がありました。たとえば、在留資格「教授」と「教育」については、職務上の地位に加えて、勤務の形態が常勤か非常勤かの別を必ず明記するなどです。また、カテゴリー1~4と分かれているので、入国管理局ホームページでよく確認をしてから申請して欲しいとのことでした。最後に、新申請書に不審な個所があったら、問合せをして欲しいとも言っていました。訂正したりして、書類の簡素化のための努力をしているようです。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2009年11月 1日 (日)

育成編の振り返り

参加型セミナー

10月24日(土)、31日(土)の13:00~18:00、行政書士講堂で行われた育成編研修会に受講しました。ADRセンター東京では、トレーナーになるためには、受講が必修となっています。しかし、トレーナーになるよりも、もっと高い理論やスキルが学べるかもしれない(忘れていることも多いので)、と考えて受講したのです。ですから、最後にある効果測定はパスするくらいのつもりでした。

講師は、センター長ひとりで、理論のエッセンスの説明やエクササイズなど、なんともメニューが盛り沢山でした。まず、アイスブレークという体を使って参加者の緊張感を解いたり、人間関係を形成したりする手法から入りました。それから、フレーム論としての変容学習論「おとなにとっての学習とは、自らのものの見方を問い直し変えていくことが重要だ」などの講義とそれらの参考文献の説明がありました。どうも、理論については、自分で学ぶというのが前提のようでした(確かに、とても時間が足りません)。

「私が大切にしていること」という項目には、愛情・生きがい・お金・自己実現・正義・楽しみ・健康という7つが書いてあり、自分なりに順番をつけてから、グループごとで順番を決定し発表します。コンセンサス(合意)を得るためのルールがあって、それに従って納得するまで話し合うのです。もとより、正解があるわけではありませんから、年齢などで順番が変わりますが、なぜそういう順番にしたのかを他のメンバーに説明し、説得をしなければなりません。

NLP(神経言語プログラミング)の基本思想は、①地図は現地ではない(事実と言葉は違う)②他者のフィールド(地図)を尊重することは、コミュニケーションの基本条件③相手の反応が、今のあなたのコミュニケーションの成果④心と身体は、ひとつの有機システムです。たとえば、全員の前で、好きな人と嫌いな人を思い浮かべてもらい、その人がどちらの人のことをそのときに思ったのかをあてるようなこともしました。また、苦手の人のイメージを変えるような方法も試みました。

面白かったのは、coachAタイプ分けです。行動と捉え方でタイプを知るテストです。血液型と違って、立場などが変わったりすると、タイプも変わることがあるそうです。まず、40問(たとえば、他人の欠点や弱点にすぐ気づくほうだ)に3~0の数字で答えて、決められた計算方法で、点数を出します。そして、その点数によって、コントローラー、アナライザー、プロモーター、サポーターにタイプ分けをするのです。人によっては、タイプがはっきりと出るので、行動や考え方がわかってしまいます。たとえば、コントローラーは、行動的で、自分が思った通りに物事を進めることを好むタイプです。他人から指示されることを何より嫌います。

ブレーンストーミングだけではなく、無数の解決方法がありますが、それを導く、あるいは創出するのは、調停人の腕です。たとえ、解決方法の発散技法や収束技法などをいくら学んでも、実際に調停の場でそれを使うのは、調停人自身だ、ということです。ですから、さらに理論やスキルを学びながら、同時に、ようやく始まったメディエーション実務研究会などでのロールプレイなどを通じて肌で体験することの大切さをあらためて感じました。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2009年10月23日 (金)

成年後見基礎研修(12)

精神障がい者に対する理解

ばおあとな東京所属の社会福祉士による講義でした。精神病院があるから入院させているという現実にショックを受けました。つまり、だいたい1~2ヶ月で回復するのに、約1年の入院が平均で、1年以上の患者が精神病床の2/3(入院期間5年以上は全体の1/3)なのです。厚生労働省も、入院患者のうち75,900人は退院可能としています。精神科病院の病床数は、約35万床ですが、全病床数の21.7%を占めるので、WHOからも減少させるように勧告されています。

「悪くしなければ良くなる」として、なによりも再発を防止を優先しなくてはなりません。再発すると能力が下がってしまうからです。本人は、頑張っているのですから、現状を肯定してむりやり頑張らせないで、現状維持でよいと考えるのです。知的障がい者と異なり、精神障がい者は、体調や病状が一定でなく、波があることをよく理解する必要があります。また、疲れやすさや新しいことへの不安などについても理解しなければなりません。

成年後見制度を利用する場合は、本人申立てが望ましいそうです。精神障がい者は、丁寧な説明に対しては時間がかかっても反応があり、本人の意思を表示できるからです。また、本人が納得していないと、あらぬ妄想に結びつきやすいので、信頼感形成が難しいということもあります。そして、成年後見人は、再発防止を最優先して、生活のしづらさを理解し、自分の価値観を押しつけないことが大切です。

知的障がい者に対する理解

別のぱあとなあ東京の社会福祉士による講義が続きました。知的障害者福祉法では、知的障がいの定義が存在しないということです。一般には、「知的機能の障害が発達期(おおむね18歳まで)にあらわれ、日常生活に支障が生じるために、何らかの特別な援助を必要とする状態にあるもの」と定義されています。また、養育手帳制度(東京都では愛の手帳)の判定の基準が定義に代わるものとしてあります。そして、2006年施行の障害者自立支援法では、障害程度区分による分類で、福祉サービスの受給内容が変わるようになりました。

知的障害の子どもを手放せない親の高齢化が進んで、第3者に託すための準備として、本人ノートが試みられています。また、青森など遠方にある入所施設から出て、地域で暮らせるようにするためには、支援するグループホームなどが必要です。しかし、地域住民の反対活動もあり、都内の受け皿となる施設が足りません。不動産屋の地図に施設を記入しないなどの偏見もあります。

知的障がい者の年齢が若いので、後見期間が長くなります。そのために、支援内容も年齢とともに変化することになります。在宅者は、家族(主に親)と暮らしている割合が高いので、施設入所の待機者になることが多いなどの問題もあります。また、民主党政権になったことで、障害者自立支援法の名称を含めて変化がありそうです。制度の移行期のようですが、行政は、もっと本人の立場に立って考えてほしいものです。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2009年10月19日 (月)

ADR認証編の受講

手続管理委員(ケース・マネジャー)

9月14日時点で43のADR機関が法務大臣の認証を受けています。行政書士ADRセンター東京は、認証を受けたのが、5月25日で、30番目でしたから、それからすでに13の機関が認証を取得したことになります。敷金・原状回復などの4分野に特化しているため特徴があってわかりやすいので、何件か申込みはあるようですが、まだ調停の実施までには至っていないと聞いています。

手続実施者(調停人)が調停をするのですが、その前後に手続管理委員が調停手続きの管理をすることになっています。たとえば、申込みを受ける前の相談や説明などです。そして、申込み受理をした場合には、相手方への呼びかけもしなくてはなりません。その後、相手方からも依頼を受けて、はじめて調停が行われるのです。調停人候補者名簿に載せてもらっていますので、手続の流れを知る必要があると考えて、10月17日(土)認証編を受講し効果測定を受けてみました。

ADRセンター東京は、裁判外紛争解決手続の利用と促進に関する法律の第6条認証の基準とガイドラインにそって、法務省に認証申請して取得しました。そこには、手続実施者が弁護士でない場合においては、民間紛争解決手続の実施にあたり法令の適用解釈に関し専門的知識を必要とするときに、弁護士の助言を受けることができるようにするための措置を定めていることなどがあります。ですから、ADRセンター東京では、手続き関与弁護士を選任して、申込み要件の検証を求めてからでないと受理はできないことになっています。

申込みの受理をしたら、いよいよ最も難しい相手方への確認があります。申込みがあった旨とその概要などを記載した書面を配達内容証明郵便等に付して相手方へ通知します。手続管理委員は、相手方に対して、その通知を受領した日から14日以内に調停手続の実施を依頼するかどうかの回答を求めなくてはならないのです。ロールプレイもしたのですが、必ずしも相手方は、本人とは限らない場合が想定されます。たとえば、敷金・原状回復の紛争で、貸主が管理会社にすべて任せているケースがあります。それでも、法律上の代理権があるのは弁護士だけですから、管理会社とだけでは調停をすることができません。相手方として、本人である貸主からの依頼と調停の場への出席がどうしても必要ということです。

終了後の手続実施記録を作成するのも、手続管理委員です。申込金3,600円や期日手数料1回3,600円を原則現金で受取ることもします。このように、最初から最後まで紛争に係るのですが、紛争の中身に「ある程度」入ることは避けられないとしても、紛争の関係調整自体踏み込まないと決められています。たとえば、センター規則第9条には、申込み前に、申込者は、手続実施者による調停手続の教示に関する相談(法律相談を除く)を受けなければならないと定められています。その際、「ある程度」がどの範囲までになるのかを事前に決めておいても、個別の紛争によってニュアンスが異なるのではないか、あるいは、担当した手続管理委員の資質によるところが大きいのではないか、など難しい課題があるような気がしました。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2009年10月 7日 (水)

成年後見基礎研修(11)

身上監護の視点から

講師は、ベテランの社会福祉士でした。「後見人は、その人の人生の最後を決めてしまえる」からこそ、「自分の限界を知る」必要があるのです。同時に、かかわりが長くなるので、あまり頑張りすぎないようにしなくてはなりません。そのためには、専門家もひとりの人間に戻って、ネットワークを常日頃から築くという努力が大切です。また、ケアマネジャー、施設相談員、医療相談員(ソーシャルワーカー)が、キーマンになるようです。すべて周りを巻き込んで、本人にとって最善の利益を追及するということです。

病気である認知症高齢者を家族が在宅で看ているというビデオを見せられました。認知症の特徴は、身近な人ほど強く出ます。たとえば、娘がわからなくなってしまった母親を看るのですから、なんともたまりません。元気だった姿がダブりますから、よけい悲しくなってきます。それでも、しっかりと感情は残っていて、何日か離れていて、久しぶりに会ったりすると、泣いたりします。さらに、だんだんに認知症がひどくなって、昼夜の逆転現象などが出たりするとそれこそ家族は大変です。講師は、認知症だけにはなりたくないと良く言うけれども、確かに、家族には負担がとてもかかるが、どこかが痛くて呻いているような肉親の高齢者と比べたら、きっと本人は幸せなのではないかとも言っていました。

85歳の女性は、1/4が認知症で、5年ごとに倍になるというデータがあるそうです。認知症患者は、家から外に出ると外見上まともに見えることが多いので、発見が遅れる傾向があります。また、最初は、家族も夕方に症状が重くなるというような特徴を知らないために苦労することがあるようです。本人の意思を尊重して、家族と一緒に住みなれた家で生活をするためには、地域の見守りネットワークなどをもっと利用することを考えなければなりません。

「支援と支配は違うのです」 成年後見制度の基本理念は、自己決定の尊重・残存能力の活用・ノーマライゼーションという3つの理念と本人保護の理念の調和にあります。マンツーマンで権利擁護するのですから、外国のように市民後見人のほうが本人の目線に近いのかもしれません。弁護士、司法書士、社会福祉士などの専門家は、知識があるだけに、どうしても支配をしてしまうということになりそうです。知識がなければ、わからないことを専門家などに素直に頼ることができるのです。ということは、行政書士という法律の専門家のスタンスではなくて、謙虚で身近な一市民としての後見人であったほうが、かえって行政書士後見人のあるべき姿かもしれません。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2009年9月16日 (水)

成年後見基礎研修(10)

質の高い後見事務を目指して

講師は、実務に精通した弁護士で、ポイントを押さえた説明がとても参考になりました。まず、金儲けをしようとしてする仕事ではないこと、私生活を拘束されることを覚悟することが、後見業務だというところからスタートしました。リスクが大きな仕事なので、金と時間を重視するのならやめたほうがいいというのです。また、尊厳(誇り)を認められる感性も大切で、本人の歴史にまで踏み込まないと、お互いの心がつながらないそうです。事理を弁識するのが能力を欠く常況にあっても、人間の感性は失っていないということを忘れてはなりません。

任意後見契約は、①契約書の変更ができない、②取消権がない、③精神保健福祉法の保護者になれない、などの理由で、実務で使えないので、法定後見にすべて変えているそうです。報酬も契約で取り決めるために、裁判所が決定してくれる法定後見人の報酬のほうが受取り易いようです。裁判所の関与も直接ではないので、どうしても薄くなりますから、本人の生活を根幹から丸ごと支えるためには、法定後見でなければやはり難しいのかもしれません。

介護保険法、老人福祉法、精神保健福祉法、高齢者虐待防止法にも精通しなければ、実務では務まらないそうです。たとえば、介護保険における担当者会議(ケアカンファレンス)開催の要求や施設のサービスチェックなどもしなければなりません。また、副作用がある複数の薬の同時投与も阻止する必要があります。同時に、生活全般を支援するために、地域包括支援センターなどとの連携を深める地道な努力をすることが、質の高さにつながるのです。

後見事務は、消費者問題にも直結しています。消費者契約法、特定商取引法、割賦販売法、金融商品取引法、商品先物取引法なども知らなければなりません。それに、法律がどんどん新しくなりますから、追いかけるのも結構大変です。そのために、講師も、アンテナを張り巡らして、知識の習得をしているそうです。生きる権利を守るということを考えれば、そのくらいできなければ、仕事を続けられないのかもしれません。

何時呼ばれるかわからないので、連休中でも遠くに遊びに行かないし、旅行をしてもすぐに帰れるような態勢で移動をしているそうです。20人の法定後見人をしているそうですが、予定にないことが必ず入るそうです。そして、そんなときには、後見事務をまず最優先するのです。だから、車で20分以内でなければ、依頼されても受けないそうです。じっくりと実務の厳しさを伝えてくれたことで、いかにやりがいのある仕事かを教えてくれたような気がしました。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2009年9月 8日 (火)

調停人候補者専門分野研修(自転車事故)

4分野目の研修

専門分野に関する研修は、10時間、2日と施行規則に決められています。そして、効果測定において、8割以上の水準に達していなければなりません。専門分野には、外国人関係、愛護動物、自転車事故、敷金原状回復の4分野がありますが、さらに、行政書士業務経験5年以上と他資格(自転車の場合は、警察官職務従事等)などの要件も求められています。他の3分野の研修は、昨年受講したのですが、自転車事故を受けていませんでした。そこで、他資格など調停人候補者としての要件を満たしていないのを承知で受講しました。

自転車は、軽車両に分類され、道路交通法や東京都道路交通規則で罰金などが決められています。しかし、警察の取り締まりは、とても緩やかなのが実態です。たとえば、酒気帯び運転は、5年以下の懲役または100万円以下の罰金ですが、事故を起こす前に取り締まりがされているかどうかとても疑問です。

自転車に乗れるようになっても、自動車と違って、免許などがないため、ルールが無視され軽視されています。そこで、警視庁では悪質な違反者には交通切符(赤切符)を交付しているそうです。しかし、自動車の青切符と違って、赤切符は罰金だけです。昨年上半期の交付件数は、214件で、踏切への進入92件、2人乗り73件、信号無視29件となっています。激増している自転車事故ですから、更なる強化が望まれますが、自転車道の整備延長が道路延長のわずか0.9%というように、通行空間の未整備など行政面も遅れているそうです。

自転車の通行は、車道が原則で歩道は例外です。平成20年の改正道路交通法で、年齢13歳未満に児童と幼児、70歳以上の者など政令で定めるものが運転をするときなど歩道通行が許されています。また、幼児(13歳未満の者)を保護する責任のある者は、自転車に乗車させるときは、乗車用ヘルメットをかぶせるよう努めなければなりません。

左右の見とおしのきかない交差点や道路のまがりかどなどでは、警音器を鳴らさねばなりません。しかし、「車両等の運転者は、法令の規定により警音器を鳴らさねばならないとされている場合を除き、警音器を鳴らしてはならない。ただし、危険を防止するためやむを得ないときは、この限りでない」(道交法第54条)と定められています。後からベルを鳴らして、歩行者を避けさせるような高齢者の運転は、事故があったら、どの程度の過失割合になるのかとても興味があります。もっとも、知らないからできるのかもしれませんが。

自転車と歩行者の事故で、平成17年に異例の賠償額5,000万円の支払いが無灯火の自転車に乗っていた女子高生に命じられました。携帯電話に気を取られ、前方に注意をしていなかったようです。また、自転車と自転車の事故で、男子高校生が交差点に無理に進入し、相手が死亡したケースでは、賠償額約3,000万円が命じられています。現状では、自動車事故と違って、賠償額や過失割合の目安がないのだそうです。また、自賠責や任意保険の制度もないので、加害者が支払能力がなければどうにもなりません。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2009年9月 3日 (木)

成年後見基礎研修(9)

高齢者の特徴と生活を守る医療について

講師は、特別養護老人ホームの施設長でもあり、医師でもあるパワフルな女性でした。実戦で鍛えた強い信念とプロの自覚が感じられました。生活を守る医療の4原則は、快眠、快食、快便、快感です。何といっても食事が大事ですが、高齢者は、意識が曇りやすい(せん妄)ので、個々人に合った食事にしなければなりません。食事介護の基本は、誤嚥・窒息の予防です。家族にわかってもらうために、高齢者の気管に食べ物が入ってしまうという画像を内視鏡を使って見せることもあるそうです。そして、口腔機能が低下しているために、とろみをつけたり、細かくしたりするなどの細かな配慮が大切です。また、食事の際の姿勢は、高さを同じにして、目が合うようにして、食べてもらわなければなりません。振り返ってみたら、窒息していたということもあるからです。

できるだけ多くの水を飲んだ方がよいと信じていましたが、水の過剰(水毒)は、体を冷やし、花粉症の原因にもなるのだそうです。逆に、少ないと脱水性せん妄になります。目安としては、食事で1000ml、飲んで1000ml 合計2000mlが必要です。呼吸以外に何もしなくても、体重×20の水が失われるからです。たとえば、50kgの人だと1000mlが失われます。食事に含まれている水分は、老人ホームの三食(常食)では約1000mlということです。年をとったら小食でよいと考えている家族が多いので、脱水でせん妄になってしまい点滴を繰り返すしていたという事例もあったそうです。

寝る前の口腔ケアが大切です。口の中が汚れていたり、入歯をきれいに洗浄していなかったりすると、肺炎にかかる可能性が高くなるからです。同時に、新型インフルエンザに対して、特に9月、10月には猛威を振るいそうなので、注意しなければなりません。もし、熱でも出たら、すぐに医者に行って治療する必要があります。予防には、手を洗うこととうがいをすることが効果的ですが、それでも感染を免れることは難しいそうです。

経口補水塩(OSR)が飲む点滴として開発されています。スポーツドリンクとの違いは、塩分とカリウムが多く、糖分が少ないことです。高齢者の飲み込み困難や熱中症などに効果があります。高熱、下痢、嘔吐、多汗などによる塩分や水分の喪失に利用すれば、不必要な入院などを避けることもできるそうです。

2時限目は、「高齢者の悪徳商法対策」という講義がありましたが、同じ時間帯に調停人候補者会議がありましたので、残念でしたが欠席しました。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2009年8月29日 (土)

挨拶に題名をつけてみる

前置きをとにかくやめる

挨拶のポイントは、一般論、抽象論を言わないことです。たとえば、エピソードやゴシップも具体的なものを使います。そして、原稿ができあがったら、題名をつけてみます。題名がつけられないようだと、散漫になっているからです。注意をするのは、とかく日本人の挨拶は前置きが長いので、それをやめるようにしなければなりません。

司会者がスピーチをしてはいけません。司会者があまり詳しく説明しすぎると、「私の言いたいことは、ただいま司会者が全部おっしゃってくださいました。おめでとうございます。終わり」とお辞儀をすることになってしまいます。司会者が主役になってはならないのです。

失言をしないためには、原稿を書くことです。そして、それを聞いてもらって、問題がないかどうかチェックしてもらいます。そのときに、時間を計り、だいたい5分以内に収めるようにします。逆に、会場の人々がおもしろがっていないし、反応がないからといって、即興で、みんなにうけるように喜ばせようと頑張ると、どうしても失言が多くなってしまいます。会場は、目の前で楽しんでいる人ともっと広い視点でものを見ている人との二重構造になっているということを考えたうえで、気をつけてジョークやゴシップを言わなければならないのです。

弔辞は、その人の一生を、スピーチする人の立場から、ひとつの伝記として総括するものです。弔辞とは、一種の総決算なのです。結びのことばとして、「だが、かう考へることもできるかもしれない。できることにしよう。彼は短い生涯ですばらしい仕事をした。彼の人生は充実していた、と」、そして「いづれそのうち、ゆっくりと話をしませう。そこでは時間はいくらでもあるはずだ」という2つが心に残りました。

結婚式で、「年長者でありますから、そもそも結婚とは、とか、何か言うべきかもしれませんが、あれは無理ですね。みんな組合せが違うから、一般論はできないんです。それに、なーに、むずかしいことありませんよ。結婚なんて、人類が大昔からずーつとやってきたことですから」というスピーチがありました。誰かの真似をして、もっともらしく話すよりも、こんなスピーチができたら素晴らしいし、なによりも若い二人のはなむけになるに違いありません。とはいっても、自分で使いこなすというような自信は、まったくありません。

”<挨拶はたいへんだ>から引用しました”

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2009年8月23日 (日)

トロフィ・ワイフ

アメリカの話?

夫婦2人力を合わせて家庭を築いてきて、何もかもうまくゆくと思っていたときに、ある日突然に、夫が他に愛する女性ができたので離婚をしたいときりだします。この場合、夫が何か理不尽なことをしていれば攻撃もできますが、さもない場合は、できる限り合理的に話し合い、後は、夫は夫の人生を生きるのに対し、妻は妻の人生をしっかりと生きますから、ということで、きれいに別れるしかありません。その際の若いチャーミングな新しい夫人を、アメリカでは、トロフィ・ワイフというのだそうです。

日本だったら、夫の方に、恩知らずとか、わがまま勝手などと非難が集まるかもしれませんが、アメリカでは、そんなことはないようです。もしも、この別れた女性が、夫を恨んだり嘆いたりすると、周囲の人から彼女は自立性のない弱い女性とみなされてしまいます。そこで、女性は、こんなことで私はへこたれはしない、自分の人生をしっかり生きてゆくのだ、という姿を他人に見せねばなりません。一方、トロフィ・ワイフを獲得した男性のその後は、必ずしも幸福とは限らないようです。お互いに愛し合って結婚したのですが、年齢差が相当にありますし、数年経つと、愛が変化して、それほど幸福が長続きしないとのことです。

持ちたいけれども、実際に持つと困るものは、セカンドハウスとセカンドワイフといわれています。どちらも持ったことがないので、よくわかりませんが、やり直すチャンスがあるので、困ってもセカンドワイフの方が日本では現実的かもしれません。トロフィ・ワイフのように、熱烈な恋愛によって結婚したのに、しばらくすると熱が冷めてしまうのです。激しい恋愛感情は、長続きしなかったり、もろさを露呈したりすることがとても多いのです。

夫は、もっと妻を大切にしなければならないとか、愛し合っている者が夫婦になるべきであって、日本のような見合い結婚は駄目だとか聞いてきました。しかし、ともにお茶を飲んだり、お喋りをしたりするというような日常行為のなかで積み重ねられた愛は、激しくはなくても、深くて強いものです。人間の感情には、激しさと深さとがあります。目に見える行動として、他人にもよくわかる激しさよりも、あまりわかる行動とは結びつかない深さの方が切っても切れないという強さがあるのです。

もっとも、日本でも、定年後の離婚や老人ホームでの恋愛などが特別なことではなくなっています。平均しても80歳以上まで生きるのですから、相思相愛の関係で結ばれると幸福になる、という固定概念を冷静に見直すことも必要かもしれません。

”<大人の友情>から引用しました”

| | コメント (0) | トラックバック (0)

«成年後見基礎研修(8)