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2009年6月17日 (水)

成年後見基礎研修(5)

任意後見の契約手続

成年後見センターを運営している司法書士が講師です。何度も、実務を経験しなくては成年後見の仕事を覚えられないし、相談も受けられないと強調していました。現在、東京の司法書士3,000人のうち500人が実際に後見業務に携わっているそうです。若手の参加も徐々に増えているのですが、今後予想される後見業務の増大にはとても対応できないそうです。また、弁護士、司法書士は、東京に集中しているので、埼玉などでは、すでに行政書士の後見業務がスタートしているとも教えてくれました。

保険金の還付手続をするためだけに、やむを得ず成年後見の申立をしても、東京家裁では、身内である70歳以上の高齢者は、ほとんど選ばないそうです。ですから、その手段としてだけに後見人の依頼があっても、被後見人のためにはなりません。親族間の関係と何のために申立をするのかを事前によく確かめる必要があります。

任意後見制度では、代理権はありますが、取消権はありません。任意代理人に取消権を与えることは、意思表示によって自己の将来の行為を否定することであり、私的自治の限界を超えているという理由で与えられなかったのです。一方、居住用財産の処分については、法定後見における家庭裁判所の許可に該当する規定はありませんから、任意後見人の判断で処分可能です。本人が自らの意思で成年後見人に代理権を付したのですから、自己決定を尊重し、家庭裁判所の介入は必要ないのです。

任意代理契約(財産管理等委任契約)を締結する場合は、3面契約として、リーガルサポートが監督人として加わることになっているそうです。通常は、任意代理は、本人が代理人を監督することが原則ですから、監督人をつけません。そのために、チェック機能が働かないので、しばしば不祥事が起きてしまったのです。さらに進んで、代理権の範囲も日常業務に限定して、報酬も定額制にしようとしています。代理権目録に制限を加えれば、日常業務に限定することができます。そして、それ以外の業務を受けるときは、本人の意向を重視してそのつど別契約するのです。信頼されなければ後見業務はできませんから、司法書士として姿勢を正しているのです。

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