行政書士

2009年11月11日 (水)

平成21年度第1回入管実務研修会

参加人数の多さ

11月10日(火)東京入国管理局統括審査官2名を講師とする実務研修会がありました。少し早目に会場についたのですが、受付がとても混んでいたので、ちょっと驚きました。330人以上の参加があったそうです。行政書士業務にとって、入管手続の比重が高いことを示していました。

1時限目は、在留資格審査業務「就労」でした。雇用状況悪化に伴う外国人の在留に関する取扱いという項目が、すぐに参考になりそうです。①雇用先企業から解雇または雇い止めの通知を受けた場合の取扱い②雇用先企業から待機を命ぜられた場合の取扱い、という2つの内容です。①では、現に有する在留期限あるいは資格外活動90日以内を認め、在留資格としては、短期滞在への変更を都合2回まで認めてくれるそうです。②の場合は、やはり包括的な資格外活動90日を認めて、滞在期間満了後には、短期滞在に変更するのですが、復職の際でも、1ヶ月を超えない範囲で、在留期間変更申請を預って、復職の職務内容を確認してから許可をするとのことです。

2時限目は、改正入管法の概要でした。公布の日から3年以内に施行される在留カードや特別永住者に係る措置、そして、1年以内の①外国人研修制度の見直し②在留資格「留学」と「就学」の一本化などの内容です。①については、「技能実習」という在留資格になります。②については、「留学」となり、教育機関別に管理するそうです。また、資格外活動や再入国は、一本化になる方向です。

在留期間の満了の日までに申請をした場合、申請に対する処分が在留期間の満了までにされないときは、その在留期間の満了後も、処分がされる日または従前の在留期間の満了の日から2ヶ月を経過する日のいずれか早い日まで、引き続いて在留することができる、という規定が1年以内にできます。資格外活動や再入国についても認められるようです。

9月1日からの新申請書についての説明と質問がありました。たとえば、在留資格「教授」と「教育」については、職務上の地位に加えて、勤務の形態が常勤か非常勤かの別を必ず明記するなどです。また、カテゴリー1~4と分かれているので、入国管理局ホームページでよく確認をしてから申請して欲しいとのことでした。最後に、新申請書に不審な個所があったら、問合せをして欲しいとも言っていました。訂正したりして、書類の簡素化のための努力をしているようです。

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2009年11月 1日 (日)

育成編の振り返り

参加型セミナー

10月24日(土)、31日(土)の13:00~18:00、行政書士講堂で行われた育成編研修会に受講しました。ADRセンター東京では、トレーナーになるためには、受講が必修となっています。しかし、トレーナーになるよりも、もっと高い理論やスキルが学べるかもしれない(忘れていることも多いので)、と考えて受講したのです。ですから、最後にある効果測定はパスするくらいのつもりでした。

講師は、センター長ひとりで、理論のエッセンスの説明やエクササイズなど、なんともメニューが盛り沢山でした。まず、アイスブレークという体を使って参加者の緊張感を解いたり、人間関係を形成したりする手法から入りました。それから、フレーム論としての変容学習論「おとなにとっての学習とは、自らのものの見方を問い直し変えていくことが重要だ」などの講義とそれらの参考文献の説明がありました。どうも、理論については、自分で学ぶというのが前提のようでした(確かに、とても時間が足りません)。

「私が大切にしていること」という項目には、愛情・生きがい・お金・自己実現・正義・楽しみ・健康という7つが書いてあり、自分なりに順番をつけてから、グループごとで順番を決定し発表します。コンセンサス(合意)を得るためのルールがあって、それに従って納得するまで話し合うのです。もとより、正解があるわけではありませんから、年齢などで順番が変わりますが、なぜそういう順番にしたのかを他のメンバーに説明し、説得をしなければなりません。

NLP(神経言語プログラミング)の基本思想は、①地図は現地ではない(事実と言葉は違う)②他者のフィールド(地図)を尊重することは、コミュニケーションの基本条件③相手の反応が、今のあなたのコミュニケーションの成果④心と身体は、ひとつの有機システムです。たとえば、全員の前で、好きな人と嫌いな人を思い浮かべてもらい、その人がどちらの人のことをそのときに思ったのかをあてるようなこともしました。また、苦手の人のイメージを変えるような方法も試みました。

面白かったのは、coachAタイプ分けです。行動と捉え方でタイプを知るテストです。血液型と違って、立場などが変わったりすると、タイプも変わることがあるそうです。まず、40問(たとえば、他人の欠点や弱点にすぐ気づくほうだ)に3~0の数字で答えて、決められた計算方法で、点数を出します。そして、その点数によって、コントローラー、アナライザー、プロモーター、サポーターにタイプ分けをするのです。人によっては、タイプがはっきりと出るので、行動や考え方がわかってしまいます。たとえば、コントローラーは、行動的で、自分が思った通りに物事を進めることを好むタイプです。他人から指示されることを何より嫌います。

ブレーンストーミングだけではなく、無数の解決方法がありますが、それを導く、あるいは創出するのは、調停人の腕です。たとえ、解決方法の発散技法や収束技法などをいくら学んでも、実際に調停の場でそれを使うのは、調停人自身だ、ということです。ですから、さらに理論やスキルを学びながら、同時に、ようやく始まったメディエーション実務研究会などでのロールプレイなどを通じて肌で体験することの大切さをあらためて感じました。

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2009年10月23日 (金)

成年後見基礎研修(12)

精神障がい者に対する理解

ばおあとな東京所属の社会福祉士による講義でした。精神病院があるから入院させているという現実にショックを受けました。つまり、だいたい1~2ヶ月で回復するのに、約1年の入院が平均で、1年以上の患者が精神病床の2/3(入院期間5年以上は全体の1/3)なのです。厚生労働省も、入院患者のうち75,900人は退院可能としています。精神科病院の病床数は、約35万床ですが、全病床数の21.7%を占めるので、WHOからも減少させるように勧告されています。

「悪くしなければ良くなる」として、なによりも再発を防止を優先しなくてはなりません。再発すると能力が下がってしまうからです。本人は、頑張っているのですから、現状を肯定してむりやり頑張らせないで、現状維持でよいと考えるのです。知的障がい者と異なり、精神障がい者は、体調や病状が一定でなく、波があることをよく理解する必要があります。また、疲れやすさや新しいことへの不安などについても理解しなければなりません。

成年後見制度を利用する場合は、本人申立てが望ましいそうです。精神障がい者は、丁寧な説明に対しては時間がかかっても反応があり、本人の意思を表示できるからです。また、本人が納得していないと、あらぬ妄想に結びつきやすいので、信頼感形成が難しいということもあります。そして、成年後見人は、再発防止を最優先して、生活のしづらさを理解し、自分の価値観を押しつけないことが大切です。

知的障がい者に対する理解

別のぱあとなあ東京の社会福祉士による講義が続きました。知的障害者福祉法では、知的障がいの定義が存在しないということです。一般には、「知的機能の障害が発達期(おおむね18歳まで)にあらわれ、日常生活に支障が生じるために、何らかの特別な援助を必要とする状態にあるもの」と定義されています。また、養育手帳制度(東京都では愛の手帳)の判定の基準が定義に代わるものとしてあります。そして、2006年施行の障害者自立支援法では、障害程度区分による分類で、福祉サービスの受給内容が変わるようになりました。

知的障害の子どもを手放せない親の高齢化が進んで、第3者に託すための準備として、本人ノートが試みられています。また、青森など遠方にある入所施設から出て、地域で暮らせるようにするためには、支援するグループホームなどが必要です。しかし、地域住民の反対活動もあり、都内の受け皿となる施設が足りません。不動産屋の地図に施設を記入しないなどの偏見もあります。

知的障がい者の年齢が若いので、後見期間が長くなります。そのために、支援内容も年齢とともに変化することになります。在宅者は、家族(主に親)と暮らしている割合が高いので、施設入所の待機者になることが多いなどの問題もあります。また、民主党政権になったことで、障害者自立支援法の名称を含めて変化がありそうです。制度の移行期のようですが、行政は、もっと本人の立場に立って考えてほしいものです。

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2009年10月19日 (月)

ADR認証編の受講

手続管理委員(ケース・マネジャー)

9月14日時点で43のADR機関が法務大臣の認証を受けています。行政書士ADRセンター東京は、認証を受けたのが、5月25日で、30番目でしたから、それからすでに13の機関が認証を取得したことになります。敷金・原状回復などの4分野に特化しているため特徴があってわかりやすいので、何件か申込みはあるようですが、まだ調停の実施までには至っていないと聞いています。

手続実施者(調停人)が調停をするのですが、その前後に手続管理委員が調停手続きの管理をすることになっています。たとえば、申込みを受ける前の相談や説明などです。そして、申込み受理をした場合には、相手方への呼びかけもしなくてはなりません。その後、相手方からも依頼を受けて、はじめて調停が行われるのです。調停人候補者名簿に載せてもらっていますので、手続の流れを知る必要があると考えて、10月17日(土)認証編を受講し効果測定を受けてみました。

ADRセンター東京は、裁判外紛争解決手続の利用と促進に関する法律の第6条認証の基準とガイドラインにそって、法務省に認証申請して取得しました。そこには、手続実施者が弁護士でない場合においては、民間紛争解決手続の実施にあたり法令の適用解釈に関し専門的知識を必要とするときに、弁護士の助言を受けることができるようにするための措置を定めていることなどがあります。ですから、ADRセンター東京では、手続き関与弁護士を選任して、申込み要件の検証を求めてからでないと受理はできないことになっています。

申込みの受理をしたら、いよいよ最も難しい相手方への確認があります。申込みがあった旨とその概要などを記載した書面を配達内容証明郵便等に付して相手方へ通知します。手続管理委員は、相手方に対して、その通知を受領した日から14日以内に調停手続の実施を依頼するかどうかの回答を求めなくてはならないのです。ロールプレイもしたのですが、必ずしも相手方は、本人とは限らない場合が想定されます。たとえば、敷金・原状回復の紛争で、貸主が管理会社にすべて任せているケースがあります。それでも、法律上の代理権があるのは弁護士だけですから、管理会社とだけでは調停をすることができません。相手方として、本人である貸主からの依頼と調停の場への出席がどうしても必要ということです。

終了後の手続実施記録を作成するのも、手続管理委員です。申込金3,600円や期日手数料1回3,600円を原則現金で受取ることもします。このように、最初から最後まで紛争に係るのですが、紛争の中身に「ある程度」入ることは避けられないとしても、紛争の関係調整自体踏み込まないと決められています。たとえば、センター規則第9条には、申込み前に、申込者は、手続実施者による調停手続の教示に関する相談(法律相談を除く)を受けなければならないと定められています。その際、「ある程度」がどの範囲までになるのかを事前に決めておいても、個別の紛争によってニュアンスが異なるのではないか、あるいは、担当した手続管理委員の資質によるところが大きいのではないか、など難しい課題があるような気がしました。

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2009年10月 7日 (水)

成年後見基礎研修(11)

身上監護の視点から

講師は、ベテランの社会福祉士でした。「後見人は、その人の人生の最後を決めてしまえる」からこそ、「自分の限界を知る」必要があるのです。同時に、かかわりが長くなるので、あまり頑張りすぎないようにしなくてはなりません。そのためには、専門家もひとりの人間に戻って、ネットワークを常日頃から築くという努力が大切です。また、ケアマネジャー、施設相談員、医療相談員(ソーシャルワーカー)が、キーマンになるようです。すべて周りを巻き込んで、本人にとって最善の利益を追及するということです。

病気である認知症高齢者を家族が在宅で看ているというビデオを見せられました。認知症の特徴は、身近な人ほど強く出ます。たとえば、娘がわからなくなってしまった母親を看るのですから、なんともたまりません。元気だった姿がダブりますから、よけい悲しくなってきます。それでも、しっかりと感情は残っていて、何日か離れていて、久しぶりに会ったりすると、泣いたりします。さらに、だんだんに認知症がひどくなって、昼夜の逆転現象などが出たりするとそれこそ家族は大変です。講師は、認知症だけにはなりたくないと良く言うけれども、確かに、家族には負担がとてもかかるが、どこかが痛くて呻いているような肉親の高齢者と比べたら、きっと本人は幸せなのではないかとも言っていました。

85歳の女性は、1/4が認知症で、5年ごとに倍になるというデータがあるそうです。認知症患者は、家から外に出ると外見上まともに見えることが多いので、発見が遅れる傾向があります。また、最初は、家族も夕方に症状が重くなるというような特徴を知らないために苦労することがあるようです。本人の意思を尊重して、家族と一緒に住みなれた家で生活をするためには、地域の見守りネットワークなどをもっと利用することを考えなければなりません。

「支援と支配は違うのです」 成年後見制度の基本理念は、自己決定の尊重・残存能力の活用・ノーマライゼーションという3つの理念と本人保護の理念の調和にあります。マンツーマンで権利擁護するのですから、外国のように市民後見人のほうが本人の目線に近いのかもしれません。弁護士、司法書士、社会福祉士などの専門家は、知識があるだけに、どうしても支配をしてしまうということになりそうです。知識がなければ、わからないことを専門家などに素直に頼ることができるのです。ということは、行政書士という法律の専門家のスタンスではなくて、謙虚で身近な一市民としての後見人であったほうが、かえって行政書士後見人のあるべき姿かもしれません。

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2009年9月16日 (水)

成年後見基礎研修(10)

質の高い後見事務を目指して

講師は、実務に精通した弁護士で、ポイントを押さえた説明がとても参考になりました。まず、金儲けをしようとしてする仕事ではないこと、私生活を拘束されることを覚悟することが、後見業務だというところからスタートしました。リスクが大きな仕事なので、金と時間を重視するのならやめたほうがいいというのです。また、尊厳(誇り)を認められる感性も大切で、本人の歴史にまで踏み込まないと、お互いの心がつながらないそうです。事理を弁識するのが能力を欠く常況にあっても、人間の感性は失っていないということを忘れてはなりません。

任意後見契約は、①契約書の変更ができない、②取消権がない、③精神保健福祉法の保護者になれない、などの理由で、実務で使えないので、法定後見にすべて変えているそうです。報酬も契約で取り決めるために、裁判所が決定してくれる法定後見人の報酬のほうが受取り易いようです。裁判所の関与も直接ではないので、どうしても薄くなりますから、本人の生活を根幹から丸ごと支えるためには、法定後見でなければやはり難しいのかもしれません。

介護保険法、老人福祉法、精神保健福祉法、高齢者虐待防止法にも精通しなければ、実務では務まらないそうです。たとえば、介護保険における担当者会議(ケアカンファレンス)開催の要求や施設のサービスチェックなどもしなければなりません。また、副作用がある複数の薬の同時投与も阻止する必要があります。同時に、生活全般を支援するために、地域包括支援センターなどとの連携を深める地道な努力をすることが、質の高さにつながるのです。

後見事務は、消費者問題にも直結しています。消費者契約法、特定商取引法、割賦販売法、金融商品取引法、商品先物取引法なども知らなければなりません。それに、法律がどんどん新しくなりますから、追いかけるのも結構大変です。そのために、講師も、アンテナを張り巡らして、知識の習得をしているそうです。生きる権利を守るということを考えれば、そのくらいできなければ、仕事を続けられないのかもしれません。

何時呼ばれるかわからないので、連休中でも遠くに遊びに行かないし、旅行をしてもすぐに帰れるような態勢で移動をしているそうです。20人の法定後見人をしているそうですが、予定にないことが必ず入るそうです。そして、そんなときには、後見事務をまず最優先するのです。だから、車で20分以内でなければ、依頼されても受けないそうです。じっくりと実務の厳しさを伝えてくれたことで、いかにやりがいのある仕事かを教えてくれたような気がしました。

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2009年9月 3日 (木)

成年後見基礎研修(9)

高齢者の特徴と生活を守る医療について

講師は、特別養護老人ホームの施設長でもあり、医師でもあるパワフルな女性でした。実戦で鍛えた強い信念とプロの自覚が感じられました。生活を守る医療の4原則は、快眠、快食、快便、快感です。何といっても食事が大事ですが、高齢者は、意識が曇りやすい(せん妄)ので、個々人に合った食事にしなければなりません。食事介護の基本は、誤嚥・窒息の予防です。家族にわかってもらうために、高齢者の気管に食べ物が入ってしまうという画像を内視鏡を使って見せることもあるそうです。そして、口腔機能が低下しているために、とろみをつけたり、細かくしたりするなどの細かな配慮が大切です。また、食事の際の姿勢は、高さを同じにして、目が合うようにして、食べてもらわなければなりません。振り返ってみたら、窒息していたということもあるからです。

できるだけ多くの水を飲んだ方がよいと信じていましたが、水の過剰(水毒)は、体を冷やし、花粉症の原因にもなるのだそうです。逆に、少ないと脱水性せん妄になります。目安としては、食事で1000ml、飲んで1000ml 合計2000mlが必要です。呼吸以外に何もしなくても、体重×20の水が失われるからです。たとえば、50kgの人だと1000mlが失われます。食事に含まれている水分は、老人ホームの三食(常食)では約1000mlということです。年をとったら小食でよいと考えている家族が多いので、脱水でせん妄になってしまい点滴を繰り返すしていたという事例もあったそうです。

寝る前の口腔ケアが大切です。口の中が汚れていたり、入歯をきれいに洗浄していなかったりすると、肺炎にかかる可能性が高くなるからです。同時に、新型インフルエンザに対して、特に9月、10月には猛威を振るいそうなので、注意しなければなりません。もし、熱でも出たら、すぐに医者に行って治療する必要があります。予防には、手を洗うこととうがいをすることが効果的ですが、それでも感染を免れることは難しいそうです。

経口補水塩(OSR)が飲む点滴として開発されています。スポーツドリンクとの違いは、塩分とカリウムが多く、糖分が少ないことです。高齢者の飲み込み困難や熱中症などに効果があります。高熱、下痢、嘔吐、多汗などによる塩分や水分の喪失に利用すれば、不必要な入院などを避けることもできるそうです。

2時限目は、「高齢者の悪徳商法対策」という講義がありましたが、同じ時間帯に調停人候補者会議がありましたので、残念でしたが欠席しました。

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2009年8月 6日 (木)

成年後見基礎研修(8)

精神障がい者・知的障がい者に対する医療と展望について

精神疾患の病名や症状などを精神科医師が説明してくれました。現状、精神科病床数を減少させるという入院医療中心から地域生活中心への転換については、アメリカやイギリスなどに比べてとても遅れているそうです。そこで、国は、平成24年までに社会的入院患者72,000人を、東京都も5,000人を退院、社会復帰させることを目指しています。その際に、医療経済面だけでなく、なによりも精神障がい者の人権や自立の確保が必要となります。しかし、社会の理解不足で、偏見や差別は、根深いものがあるようです。

精神科の治療に使われる薬は、効能や効く量に個人差が大きいのが特徴です。また、薬の効果としては、再発防止があります。たとえば、1年以内の再発率では、薬のある場合は、約3割とのことです。そして、臨床用に使われるようになった新薬は、幻覚妄想や興奮などの陽性症状ばかりでなく、慢性期(無気力など)の症状にも効果があるといわれています。

ひとつができて次の段階へという「はしごモデル」ではなく、複数の要因に対して同時に支援することが有効ということがわかってきています。ですから、個別性が強い、固定していない症状や傷がいという面から、同時に、わかりづらい本人の生活のしづらさという面から、地域のいろいろな職種の人々が関わらなければなりません。多領域にまたがるチームワークとケースマネジメントが必要ということです。いつかどこかでお役に立つことができるかもしれません。

高齢者虐待防止法

2時限目の講師は、法務局人権擁護委員でした。行政書士は、介護保険制度はもちろんのこと、どのような公的援助制度があるのかなども知らなければならないそうです。確かに、行政機関などと連携しなければ、実務は務まらないはずです。また、後見人の大変さばかりを研修で強調されて、いくらか嫌気がさしているだろうからと、こんなにもやりがいのある仕事だと体験した事例を教えてくれました。

平成18年4月1日施行の法律で、3年後に見直しされることになっていますが、家庭内という特別な環境で起こる虐待なので、都道府県の事実確認調査も難しいようです。たとえば、通報を受けて訪問しても、家族が虐待されているだろう高齢者に会わせてくれないことも多いのです。併行して、発生の要因として、身体的虐待では、虐待者の介護の疲れが49.6%であるように、虐待者が抱える問題の解決も図る必要もあるのです。

経済的虐待とは、不当に財産上の利益を得ることですが、年金を搾取するなどの場合を考えて、養護者でない高齢者の親族や別居している家族も含まれます。虐待する者の経済的困窮や多重債務問題があることが多いので、要介護状態にある高齢者が十分な食事を用意されないまま放置される虐待行為(ネグレクト)などにもつながるケースもみられます。いずれにしても、通報義務、通報努力義務(7条)が定められているのですから、地域に住む高齢者が発するサインを見逃さないようにしなければなりません。

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2009年7月22日 (水)

成年後見基礎研修(7)

任意後見契約と公正証書について

講師は、公証人(元裁判官)でした。最初に諸外国の動向や改正の背景を詳しく説明してくれたようなのですが、どうもいつの間にが寝ていたらしく、あまり覚えていません。

公証人は、委任者の判断能力(=意思能力)の確認をします。第1段階では、「精神上の障害があるか」で、病名や症状に関する判断です。第2段階では、「その障害により判断能力が低下しているか否か」で、低下している場合は、その程度を判断するそうです。さらに、契約意思の確認を必ずしなければなりません。自らの意思による契約かどうか、契約内容を理解しているかです。判断の目安は、①本人が自分の財産を把握していて、受任者に説明できるか ②財産管理を委任することの意味を理解しているか ③財産管理の報告書を読んで理解できるか(記載された内容を現存する財産や現実の収支と照らし合わせることができるか)、という3点です。依頼者に会うのは、だいたい2回くらいということですから、それだけで判断しなければならない公証人の仕事も楽ではないようです。

財産管理契約は、通常の委任契約です。委任は、無償が原則ですから、規定がないと報酬は受けられません。また、銀行等の金融機関の理解が不十分で、管理契約の契約書の外に委任状を求められることがあります。ですから、契約後、窓口に委任者と同行して手続したほうがよさそうです。

移行型任意後見契約について、濫用防止のために、任意後見への適切な移行を促す条項を設けた行政書士会モデルが、すでに各公証人に廻っているそうです。ということは、行政書士として契約することが、いつでもできるわけです。その際に、行政書士としては、次の5項目に注意しなけれはなりません。 ①委任者と信頼関係を築くこと ②委任者の生活状況をこまめに把握すること ③金融機関に届出をすること ④後見監督人に資料を添付して報告をすること ⑤直ちに後見監督人選任申立をすること

任意後見契約公正証書の作成費用は、原則、契約1件につき11,000円です。通常の委任契約を伴う場合は、無報酬のときは、11,000円です。報酬の定めがあるときは、報酬月額の10年分の金額を2倍した額を目的価額として算定します。2倍するのは、双務契約だからです。目的価額500万円まで手数料11,000円、1,000万円まで17,000円、3,000万円まで23,000円です。その他に、印紙代が1件につき4,000円、登記嘱託手数料が1件につき1,400円、正本・謄本の用紙代が1枚につき250円かかります。

 

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2009年6月17日 (水)

成年後見基礎研修(5)

任意後見の契約手続

成年後見センターを運営している司法書士が講師です。何度も、実務を経験しなくては成年後見の仕事を覚えられないし、相談も受けられないと強調していました。現在、東京の司法書士3,000人のうち500人が実際に後見業務に携わっているそうです。若手の参加も徐々に増えているのですが、今後予想される後見業務の増大にはとても対応できないそうです。また、弁護士、司法書士は、東京に集中しているので、埼玉などでは、すでに行政書士の後見業務がスタートしているとも教えてくれました。

保険金の還付手続をするためだけに、やむを得ず成年後見の申立をしても、東京家裁では、身内である70歳以上の高齢者は、ほとんど選ばないそうです。ですから、その手段としてだけに後見人の依頼があっても、被後見人のためにはなりません。親族間の関係と何のために申立をするのかを事前によく確かめる必要があります。

任意後見制度では、代理権はありますが、取消権はありません。任意代理人に取消権を与えることは、意思表示によって自己の将来の行為を否定することであり、私的自治の限界を超えているという理由で与えられなかったのです。一方、居住用財産の処分については、法定後見における家庭裁判所の許可に該当する規定はありませんから、任意後見人の判断で処分可能です。本人が自らの意思で成年後見人に代理権を付したのですから、自己決定を尊重し、家庭裁判所の介入は必要ないのです。

任意代理契約(財産管理等委任契約)を締結する場合は、3面契約として、リーガルサポートが監督人として加わることになっているそうです。通常は、任意代理は、本人が代理人を監督することが原則ですから、監督人をつけません。そのために、チェック機能が働かないので、しばしば不祥事が起きてしまったのです。さらに進んで、代理権の範囲も日常業務に限定して、報酬も定額制にしようとしています。代理権目録に制限を加えれば、日常業務に限定することができます。そして、それ以外の業務を受けるときは、本人の意向を重視してそのつど別契約するのです。信頼されなければ後見業務はできませんから、司法書士として姿勢を正しているのです。

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2009年6月 5日 (金)

ADRセンター東京の認証祝賀会

難産だった

6月4日(木)認証祝賀会に調停人候補者として出席しました。主催は、日本行政書士会連合会と東京都行政書士会です。東京都の会長選挙によって会長が替ったために、新会長が挨拶しました。弁護士会代表の祝辞でも、苦労話がほとんどでしたから、いかに内部調整が大変だったかがわかります。また、来賓の祝辞で、6年以上前からADRに対する行政書士会の取組が始まっていたことを知りました。そのときから認証取得に努力してきた行政書士が、「時期がよかったからこそ認証された」と語っていました。それほどの難産だったようです。

祝賀会の前に、プレス発表をしました。反響があったのは、リーズナブルなプライスです。申込手数料3,600円で、期日手数料が3,600円です。その金額で、センターの経営ができるのかという声もあるようですが、社会貢献という行政書士の役割を考えて決めたということです。調停手続を利用するには、無料で事前に相談と説明を行います。また、事案によっては、弁護士の助言も確保されています。

4つの専門分野(外国人の職場環境・教育環境に関する紛争、自転車事故に関する紛争、愛護動物に関する紛争、居住用賃貸借物件に関する敷金返還または原状回復に関する紛争)について、「よくぞ、最初から4つも取れた」といっていました。一方、行政書士の守備範囲にしては少ない、という声も聞いたことがあります。祝賀会やそのあとの懇親会で、難産だったことを知れば知るほど、先ずは、その4つの分野で着実に実績を積んでいくしかなさそうです。

新会長になったので、センター長が替わるのだそうです。3年間の、それも研修時だけのお付き合いですが、認証へのひたむきな姿勢と温かい人柄を知っていましたので、心中も察せられ、残念な気がしました。ですから、祝賀会がセンター長としての最後の仕事でした。また、事務局のメンバーもどうなるかわからないらしいので、はっきり決まるまでは、具体的なことは進みそうにありません。しかし、外部に発表しているのですから、申込みがあれば受けなくてはならないでしょう。とりあえず、今のメンバーで対応するしかありませんが、これからがまさに本番なのですから、ちょっと変な気がします。

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2009年6月 3日 (水)

成年後見基礎研修(4)

社会貢献として

現在、11人の法定後見人および任意後見人をしているという行政書士の講義を受けました。実務に即しての講義だったので、面白くて、いつもの居眠りもしませんでした。行政書士としてできるのは、任意後見契約書の起案だけであって、作成は公証人であることをわかり易く解説してくれました。おかげで、なんとなくもやもやしていたものが、すっきりとしました。家庭裁判所は、申立人の書類作成のお手伝いをすることは仕方ないと認めているのですが、行政書士として公に行動することは認めていないのです。社会貢献?のために、一市民として誰でもがなれる法定後見人には、一市民である行政書士でもなれますが、行政書士だからできるというわけではないということです。

任意後見人数は、本人の被後見人が死亡した後で、子どもや親族から責められることがあったりするので、あまり増えていないそうです。後見人は、あくまでも本人のために行動しなくてはならないので、親族や施設に対しても、ときには憎まれるようなことも言わなくてはなりません。憎まれなければ、本人を守れないような場面が多いのです。ですから、任意後見人自身のガードが甘かったりすると、背任横領などと責められたりしまいます。本人がいないのですから、後見人の権限は、もう何もないからです。一方、法定後見人の場合は、家庭裁判所に報告をして定期的にチェックしてもらっていますから、疑いをかけられることが少ないのです。

福祉施設等への定期的訪問による処遇に対する監視・監督行為が大切です。驚いたことには、その施設にもよるのでしょうが、入所させた後で訪問する親族がほとんどいないそうです。後見人が定期的に本人と会っていないと、施設側も、人間ですから、気を抜いたりすることがしばしばあるそうです。実情は、人手が足りない施設が多くて、サービスの質にもずいぶんと差があるのです。

アルツハイマー型認知症は、作話や偽会話があるので、表面的に会話が成立しますから、家族がなかなか見つけられません。また、脳血管性認知症は、失語症になりやすく、暴言や暴力という特徴があるそうです。また、難病に指定されていれば、申請によって補助が受けられますから、病名を知らなくてはなりません。さらに、病院では、入院保証人、施設では、代理人とか身元引受人というような条項の契約書があります。すなわち、連帯保証人ということですから、よく確かめないと、一生面倒を見ることになってしまいます。病気などへのアンテナも幅広く張っていないと後見人業務は務まらないということです。

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2009年5月29日 (金)

ADRセンター東京が認証取得

手続実施候補者

平成21年5月25日「行政書士ADRセンター東京」が、法務大臣の認証を受け、法務省「かいけつサポート」の認証紛争解決事業者第30号として事業を開始することになりました。そのことは、翌日に知ったのですが、当日の25日にFAXで「調停人候補者名簿登載のお知らせ」の連絡をもらいました。センターの扱う4分野(外国人の職場等に関する紛争、自転車による事故、敷金返還等に関する紛争、ペット・動物が絡む紛争)のうち、外国人と敷金返還の2分野に登載されたという内容でした。

その後の認証取得祝賀会についてのFAXによると、手続実施候補者に12名の会員の名が載っていました。4部門ですし、調停人2名1組と聞いていたので、なんとなくもっと大勢の候補者がいるものとばかり考えていました。実際に開始しなければ、どのくらいの調停件数があるのかわかりませんが、12名では、選ばれる確率がどうも高そうです。一応3年間トレーニングを受けたといっても、まだまだ力不足を感じています。しかし、こうなったら、やるしかなさそうです。

認証を取得するまでのセンター長たちのご苦労の一端を、感謝しながら、離れて見ています。たぶん、行政書士会の中でもさまざまな意見があったはずです。また、5年間のトレーニングを積んだ1期生を誕生させるまでにも、相当な時間がかかったに違いありません。だからこそ、いよいよ本番を迎えたセンターの一員として、少しでも戦力にならなければなりません。今までは、3期生として、研修を受けていればよかったわけですが、これからは、それでは許されません。

合格点が取れなかった効果測定もありましたが、その前に受けた研修は、どれもとても実り多いものでした。特に、傾聴が大切です。今まで、いかに人の話を聞いていなかったか、トレーニングを通じて、しみじみと実感しました。それから、日常生活でも、できるだけ話を聴くようにしているつもりですが、なかなかうまくいかないで、反省ばかりしています。実際の調停場面では、傾聴のスキルがしっかりと使えれば、きっと結果はついてくると信じています。そのためにも、初級編から繰り返しやり直す必要を感じています。

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2009年5月20日 (水)

成年後見基礎研修(3)

法定後見人

元判事の講師は、講義の冒頭で、法定後見審判事件は、家裁の負担になっていること、もっと専門家の育成と関係機関のネットワークの充実が緊急に必要だと述べました。家事事件は、問題をこじらせないことと先を読むことが大切です。そのためには、親族関係の申立は、対立当事者がいる場合が多いので、成年後見審判と問題を分けなければなりません。たとえば、申立を利害関係のない第三者がするようなシステムが必要だというのです。

判例の解説は、わかり易くて具体的で参考になりました。たとえば、後見開始の審判事件の取下げを認めた事例(東京高平成16年・3・30)です。裁判所が本人の弟である申立人が指名してきたその弟の義弟ではなくて、成年後見人に第三者を選任しようとしたという事件です。「成年後見制度を利用するか否かを法に認められた者の申立てを待って判断している現在の制度の趣旨に照らせば、・・・・申立てを取り下げることは許される」という判決が出ました。それでは、どちらも統合失調症の本人と息子の保護は誰がするのでしょうか? 

成年被後見人に財産がなく報酬を支払えない場合は、成年後見人のなり手がありません。逆に、資産がある場合は、成年後見人をめぐる紛争が親族関係で多くなります。成年後見人選任の不当を抗告理由とすることはできませんから、その利害の対立は、そのまま成年後見人が背負うことになります。成年後見人が辞任するときは、後任成年後見人の選任を申立てしなければなりませんから、なかなか辞められません。そこで、家庭裁判所なら必要に応じて複数の成年後見人を追加選任できますから、事柄に応じてそれぞれの専門家を選任してもらったり、法人を選任してもらったりしているようです。

相続放棄と後見人の利益相反行為については、判例では、後見人と被後見人が共同相続人であるときは、後見人が先に相続放棄をした場合、あるいは同時に相続放棄した場合には利益相反行為になるとはいえないとされています。しかし、相続放棄時には積極財産か消極財産かがはっきりしないときがあるので、消極財産を被後見人がすべて相続するということもありえるそうです。

後見監督人は、どんな時に選任されるのかという質問がありました。講師からは、現実にはほとんどないレアケースという答えでした。また、未成年後見人がいて、さらに成年後見人が選任された場合は、どんな役割分担になるのかという質問もありました。精神上の障害があり判断能力が欠ける常況にあれば、法定後見開始審判を申立てることができますから、その可能性はあります。講師の答えは、具体的によく考えたいので、行政書士会を通して返答したいという誠実なものでした。家裁でも、困ったときには専門領域の知識を活用しているそうです。頼られるようになるために、行政書士も専門性をさらに高める努力をしなくてはなりません。

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2009年4月25日 (土)

無料相談の相談員

月に一度の行政書士無料相談会

「相談員をやらないか?」と支部長から電話をもらって引き受けた相談日がやってきました。行政書士の守備範囲は、とても広いので、事前準備などはできません。それでも一応、六法などを持って、会場の大田区役所に行きました。そこで、初対面の行政書士と落ち合って、一緒に相談場所の設営をしました。設営といっても、「行政書士無料相談会」という2枚の立看板と折りたたみの机と椅子を置くだけです。

準備が終わるのを待っていたらしく、支度ができたと同時に、前に2人の子どもを連れた女性が座りました。どういうわけか、ベテランらしいもう一人の前でなくて、こちら側に座ってしまったので、いきなりぶっつけ本番です。「相談の内容をまず教えてください」と訊いたら、「突然、父が亡くなったので、相続をどうしたらいいか教えてください」という返事でした。一呼吸して、それから、今の状況を聞きながら、ゆっくりと相談を受けました。すぐに、隣でも相談が始まったので、相続相談でよかったと内心ほっとしました。もしも、よくわからないことを相談されたりしたら、とても隣に教えてもらうような状態ではなかったからです。

相続人や相続財産の確定などについて、できるだけ実態に合わせて、具体的に説明したつもりです。しかし、何処にどんな預金などがあるのかも、突然だったので、家族でもわからないというのには困りました。すべての相続人が同意したという包括委任状を用意して、心当たりの金融機関に尋ねてみるしかないようです。不動産については、登記を調べれば、とりあえず内容確認ができますが、それ以外に不動産があるかどうかまではとてもわかりません。どちらにしても、何があるかわかりませんから、できるだけ漏れがないように慎重に当たる必要があることをアドバイスしました。そして、相続の流れと登記などに添付する書類名などを書いて渡しました。

次に、すぐに老人が前に座って、ポケットから紙を何枚も出して見せ始めました。どうも、耳が聞こえないようでした。そこで、紙に「何を相談したいのですか?」と書いて見せました。すると、一方的に喋りだして止まりません。同じことを繰り返すのですが、どうも役所の対応に対しての不満らしいのです。沢山の紙を持っていて、次々に見せてくれますが、あまりよくわかりません。質問していたのですが、だんだんに黙って聞けというような態度になったので、徹底して聴くことに決めました。30分以上聴いていたら、納得したらしく、「どうせ話しても、みんな逃げるだけなんだから」と言い残して立ち去りました。でも、これも相談を受けたということになるのでしょうか?

次も、相続についてでしたが、面白かったのは、最初に隣で相談していた同じ人でした。固定資産税評価証明書などを何処でもらったらいいのか聞き洩らしたということです。都税事務所とか東京法務局城南出張所とかとそれぞれ答えたのですが、「ここからどう行ったらいいのか?」と尋ねられたので、SOSを区役所の受付に求めました。念のため、本人の委任状などがないとすぐには発行してくれないことなど手続ついての説明をしました。

無料法律相談は、圧倒的に相続関係が多いそうです。実際に、隣では、遺留分減殺請求の相談も受けていました。しかし、相続に関しては、それぞれに状況が違いますから、短い時間では流れくらいしか説明できないはずです。聞いてみると、多いときには、予定の相談時間3時間で10件以上の相談があるということです。それではとても、じっくりと相談を受けるというのは難しそうです。終了後に、封筒に入ったお手当?をもらいました。無料相談会ですから、相談員も当然ボランティアだと思っていたので、ちょっと意外で嬉しかったです。

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2009年4月22日 (水)

成年後見基礎研修(2)

人権

講師から,「大変に重い仕事を選ぼうとしている」と冒頭に言われました。成年後見人は、職業として考えた場合、被後見人や家族のことを常に考えていて、常に動いていなければならないのだから、とてもその報酬などに見合うとは思えないとも言っていました。憲法の人権がテーマだったということもありますが、それぞれの状況に合わせて、現実の問題と折り合いをつけながら、弾力的な措置をとるということの難しさを学んだ研修でした。

成年後見制度の対象は、高齢者だけではありません。たとえば、精神上の障害により事理を弁識する能力を欠く状況にある者は、高齢者だけではないのです。しかし、精神的原因というのは、多種多様であり、しかも、その状態は必ずしも固定的ではありませんから、一律には扱いようがありません。判例でも、精神的原因による投票困難者の選挙権については、在宅投票制度の対象とされていません。

配偶者などの親族が成年後見人などになるのと違って、職業としての成年後見人は、何か事があると不作為による侵害とみなされて、業務上の注意義務が厳しく指摘されます。知らなかったでは、済まされないということです。ですから、幅広い専門家同士のネットワーク作りが不可欠になるのです。たとえば、施設で無断に写真を撮られてパンフレットに使われてしまったりしたら、その責任は成年後見人にかかってきます。そのようなことのないように、事前に施設側とルールを定めておかなかったからということになってしまうのです。一度失ってしまった信頼は、とり戻すことができません。

家族なら即決してもかまわない事柄でも、職業としての成年後見人には、それは許されず、しっかりと手続きを踏まなければならない事柄があると講師は言います。たとえば、理療方法の選択は、本人の意思を第一に、さらに家族にも配慮しなければなりません。また、医学的な面については、専門家の意見を聞いたりもしなければなりません。そして、それを正確に時系列に記録しておいて、いつでも説明ができる状況にしておく必要があるのです。

人権への充分な配慮とは、人として尊重するということでもあります。たとえば、老人に対して子どもに使うような言葉遣いをするのは、人として対応しているといえるのでしょうか。また、絶対的に保障されているはずの信仰の自由は、本当に守られているのでしょうか。どうせわかっていないのだからと軽視していると、やりたくないことややめてほしいことを、そっとどこかで合図しているのに、それを見落としてしまっているのではないでしょうか。

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2009年4月 8日 (水)

成年後見基礎研修(1)

受講にあたっての心構えからスタート

東京都行政書士会成年後見センターによる研修を受講することにしました。4月7日(火)は、第1回だったので、基礎研修の単位と終了条件の説明がありました。2時間を1単位として、30単位を履修します(23単位以上の出席で出席単位を満たすものとみなす)。毎回13:00から17:15で2単位を受講し、12月15日の効果測定までに15回の研修が組まれています。原則月2回の8ヶ月という長期研修ですから、きっとほとんど忘れるはずなので、効果測定前は、きっと勉強することになります。

効果測定と面接によって基礎研修が終了します。そして、成年後見センターが認めると、家庭裁判所への名簿登載予定者となります。その際は、行政書士賠償責任保険と更に成年後見に関する特約の保険に加入しなければなりません。また、倫理性、責任性について宣誓する書面の提出も義務づけられています。実務では、被後見人の預金通帳や実印などを預かったりすることもあるので、それを担保するためです。

実務経験の豊富な講師の司法書士は、後見人として、人間と人間との関係を重視していると強調していました。なお、親族以外の成年後見人は、現在約28%ですが、これからどんどん増えそうです。その内訳は、司法書士10.5%、弁護士7.7%、社会福祉士5.3%となっています。また、成年後見審判申立ての動機としては、財産管理をする際に、銀行からの指示によって、子どもなどがする場合が多いようです。申立てに関する費用は、申立人の負担ですから、親族だからというだけでは難しいのかもしれません。ですから、独居老人の増加にともない、市町村長の申立てが急激に増えています。

成年後見人は、1年間は無報酬です(被後見人のために支出する費用は認められています)。1年経って、裁判所に活動報告をして、報酬付与の申立てをすると、家庭裁判所が審判して報酬額を決めてくれるのです。だいたいの額の予想はつくものだそうですが、それも活動内容と被後見人の財産とによります。もし、被後見人に財産がなければ、どこからも報酬は出ないということです。

任意後見制度を利用して、任意後見契約を締結するような人は、頭脳明晰なので、たぶん発効しないままで亡くなるケースが多いのではないかという話がありました。確かに、転ばぬ先の任意後見、転んだら法定後見という言葉通り、任意後見契約とともに見守り契約、財産管理委任契約、尊厳死宣言書、死亡事務の委任契約を準備しておけば安心です。わざわざ、そんな面倒な準備をする人に限って、財産もある上に交友関係も広いでしょうから、刺激もあって認知症にもかかり難いはずです。

知識として覚えていたことが、あまり役に立たないような気になってしまいました。たとえば、本人が死亡したあとは、契約は終了しますから、後見人には何の権限もありません。ですから、身寄りがなかったりしたら、死亡事務の委任を受けていなければ、何もできないのです。そして、最後に、「身寄りがない場合は、被後見人の財産を本人のために使い切るのが後見人の役目」と講師が語ったのがとても印象に残りました。

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2009年4月 3日 (金)

無料相談員

突然のご指名

大田区支部長から電話で「無料相談員を務める気があるか?」と尋ねられました。何事も経験ですから、「やらせて下さい」と答えました。無料相談員というのは、自分から希望する新人と経験豊富なベテランを組合わせて、実体験を積ませるというようなイメージをもっていたので、どうしてお声がかかったのか不思議です。昨年は、マンション管理士として大田区役所で行われた国交省主催の無料相談会に参加しました。そこには、弁護士や法務局城南出張所の職員なども相談員として参加していました。そのときは、なぜか弁護士への相談が多かったような覚えがあります。

無料だからと相談に来る人は、時間つぶしの雑談をするために来ることがあるから気をつけなければならないとアドバイスされました。また、一方的に、自分自身の主義主張をまくしたてる常習者も多いと聞きます。しかし、考えようによっては、ストレス解消という相談にのっていることになるのではないでしょうか。嫌だ嫌だ、逃げよう逃げよう、とすればするほど、相手のペースにはまって、相手に楽しまれてしまうかもしれません。 もし、そんな事態になったら、ADR研修で学んだアクティブ・リスニングのスキルで、徹底的に聴いてみるつもりです。

無料相談なのだから、ある程度の時間で区切りをつけなければ、待っている相談者がいる場合などでは、とても不公平になります。横で聞いていたら、ある弁護士が、「これ以上は、・・・の専門家である・・・に相談することをお勧めします」という対応をしていました。相談者は、法律以外のことでも、「何でも弁護士に相談すれば何とかなる」という気持ちがあるからなのでしょうが、誰にでも得手不得手があり、それぞれの専門分野があります。相談者の話をよく聞いて、自分なりの意見を正確に述べて、さらにもっと詳しく具体的に相談をしたかったら、…へ行くことをお勧めする、というのは、当然のプロセスです。

無料相談で知り合って、自分の顧客になってもらうというケースもたまにはあるようです。しかし、そんなことを期待して相談を受けるというのは、本末転倒しています。あくまでも、目の前にいる相談者が抱えている問題を解決するお手伝いを第一にするべきです。その結果として、信頼が芽生えて、顧客になることがあるかもしれません。最初から顧客を獲得するために相談員をしたりしたら、顧客になりそうにもない相談には、まったく身が入らないはずです。

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2009年3月31日 (火)

ADR調停人候補者名簿登載のための面接

第1回補充面接

3月17日(火)に敷金・原状回復の専門分野で面接を受けたあとに連絡をいただいて、外国人分野での補充面接を受けることになりました。そして、3月31日(火)10:00~10:30に面接を受けました。なんとなく、2回目ということもあって、少し余裕もありましたが、口頭試問もあるので、再度、入管法を読み直すことにしました。しかし、始めてみると、忘れている個所も多くあったので、難しいことを聞かれたら、もう諦めるしかないと、いくらかあったはずの余裕もどこかに消えてしまいました。

待合室で待っていたら、面接が終わった仲間が、「はじめての挨拶」はなくて、いきなりロールプレイだったと教えてくれました。せめて、「はじめての挨拶」だけは、前回よりも完成度を高くしようと時間をかけて準備していたので、残念な気がしました。しかし、ロールプレイは、ぶっつけ本番という面もあるので、あとはもう何も考えないで面接に臨むことができました。

面接会場の雰囲気は、センター長なども同席していて、1回目よりも緊張感がありました。ロールプレイは、2人の若い女性相手だったので、最初から「謙虚に聴く姿勢」を貫こうと決めました。自分の意見はあまり出さないで、ただただ聴くことに徹しようと考えたのです。そうはいっても、面接ですし、審査員も4名いますから、どこかではスキルと使わなければなりません。本番では、聴いたことを的確に要約したりすることで、課題がだんだんに明らかになるはずですが、ロールプレイの短い時間では、それがなかなか難しいというのが、前回同様に終わったあとの率直な印象です。

イスラム女性に対してベールなしに営業活動をしろという会社社長とできないという従業員との調停でしたが、前回のように調停人を困らせるために挑発してくるようなことはありませんでした。しかし、対話が平行線になるような場面もあったので、実際の調停だったら、お互いが納得できるような解決になるかどうかわかりませんでしたが、幸いに、ロールプレイなので、時間に救われました。

口頭試問は、イスラム女性が在留資格「技術」でエンジニアとして入社しているのに、営業活動をするのはどう思うかという質問だったので、資格の変更をしなければならないと答えました。最後に、センター長から、途中で話の転換をさせるという高度なスキルを使ったとほめられたのですが、自分では、特に意識して使ったスキルではなかったので、逆に、スキルを磨く必要を強く感じました。とりあえず、2つの専門分野の面接が終わったので、あとは結果を楽しみにして待つということになりました。

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2009年3月18日 (水)

ADR調停人候補者名簿登載のための面接

第1回面接

渋谷南平台のADRセンターで、分野「敷金」の面接を受けました。控室には、専門分野(敷金・原状回復トラブル)<共通事実>というA4の用紙が置いてあり、面接の中でロールプレイをするので、事前に読んでおくようにと書いてありました。前日の東京都行政書士会のデスクネッツ(会員用のネット掲示板)に、5分間「はじめての挨拶」、15分間「ロールプレイ」、10分間「口頭試問」をすると載っていましたので、当然のこととしてそれを読んでいました。

すると、次の面接を受ける人が入ってきて、「ロールプレイがあるんだ!」と驚いていました。どうも、前日の連絡を見ていないらしいのです。すると、はじめての挨拶もぶっつけ本番でしょうから、結構大変だなと思っているところに呼び出しがありました。

当然のように、前にずらっと年より?たちが並んでいるのを想像していたのですが、実際には、大きな楕円形のテーブルに4名の審査員がいるだけでした。そして、生年月日や資格などを尋ねられた後、「すでに椅子に座ったという状況から、はじめての挨拶をして、そのままロールプレイを開始する」ように指示がありました。審査員の2人が、テーブルを隔てて、申立人と相手方の役割を演じるのです。

はじめての挨拶をしている間、審査員がチェック項目を埋めていましたから、突然に指示されたとしたら、とても難しかったかもしれません。それから、ロールプレイに移ったのですが、面接ですから仕方がないかもしれませんが、調停人を困らせるようなことをどんどん言います。たとえば、「調停人はどう考えるかとか」「なにか法的に決まりのようなものはないのか」とかと誘ってくるのです。調停人は、中立の立場で、法的なアドバイスなどはしないことになっていますので、その攻撃をどう防ぐかを試しているのでしょう。

調停人にとって、まず「聴く」ことが大事です。ロールプレイでも、自分の意見を言わないで、聴くことに徹しようとしました。しかし、言い換えや要約などの基本的なスキルは、面接ですから、あえて頻繁に使いました。ロールプレイの目的は、誘導をどう切り返すか、適当にスキルを使うかどうかなどを採点しているに違いないからです。

最後に、ロールプレイの内容のイシュー(課題)は何かと質問されて困りました。課題などは、もっと双方の当事者の話を聴いてから考えるものと思っていて、何も考えていなかったからです。なんとなくグズグズと言っていたら、質問者が「それは…ということですか?」と助け船を出してくれました。それ以外の質問は、なんとなく答えらてました。

第1回面接というからには、少なくとも第2回があるのでしょう。4月ごろに東京都行政書士会のADRが認証されると聞いていますから、ほとんど時間がないはずです。きっと、落ちていなければ、次の面接がすぐにもあるでしょう。楽しみにして、結果を待っています。たとえ、もし、今回落ちても、何度でも挑戦する時間と機会はあるので、いつかは、調停人になれるのですから。

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2009年2月22日 (日)

自転車の過失割合

ADR専門分野

行政書士会の研修会に参加しました。ADRセンターでは、認証されたら、まず、4つの分野の調停による紛争解決を扱うことになっています。その1つが、自転車に関する紛争なので、専門分野としての研修が行われたのです。講師は、弁護士で、自分の体験を含めて丁寧に説明してくれました。13:30~18:30の講義でしたが、面白かったので、居眠りする暇もありませんでした。自転車の問題については、弁護士会でも注目しているようですが、自動車と違って、類型化が難しく、判例も少ないので、対応が進んでいないということでした。

自転車対自転車、自転車対歩行者の判例について、講師が用意してくれた28事例を見ていきました。自転車は、軽車両ということが、道交法で規定されています。ですから、自転車と自転車の場合は、自動車事故に準ずるとも考えられます。しかし、自転車と自動車には、免許のあるなし、自転車の動きの機敏さ、自賠責保険のあるなしなどのさまざまな違いがあります。そうすると、まったく同じようには考えられないので、よけいに判断が難しくなるのです。意識している人は少ないはずですが、人は右、車は左という対面通行ルールは、事故があると、判断の基準になります。歩行者が突然に飛び出すという事故でも、歩道では、ほとんど自転車の責任になるようです。

自転車事故があったら、なるべく早く警察に届けて、 事故証明を取らなければなりません。自転車の場合には、本当に事故があったのかどうかがはっきりしないことがあるからです。たとえば、目撃者がいなかったりしたら、被害者が実際に事故があったという事実を立証しなくてはならないのです。たとえ、診断書などがあっても、それで事故があったという証明にはなりません。自転車事故でも、警察は、人身事故として処理してくれます。

傘をさしていたり、携帯電話をしていたりして、片手運転をしていると、「種々な事態につき対応できない危険な走行方法であった」として、100%自転車の過失という判例があります。特に、携帯で話しているときは、意識水準が下がりますから、注意力も散漫になり、とても危険なのです。

自転車による追突事故は、自転車は無音ですから、前を向いている歩行者には避けようがありません。しかし、正面衝突は、歩行者にも前方注意義務がありますから、危険を感じたら回避しなければならないはずです。面白いのは、自転車と自転車、自転車と歩行者、どちらの場合も、お互いが意識して避けないで衝突したという事故が増えていることです。判例では、なぜかよくjわかりませんが、原告自転車の後方に歩行者を発見した被告自転車が一時停止すべきであったとして、被告自転車に過失を6割にしているような事例もあります。

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2009年2月 1日 (日)

ADR基礎編+中級編/効果測定

2時間40問

行政書士ADRセンター東京の効果測定を受けました。第3期生として、12月に中級編研修を受講したので、効果測定を受けられる資格ができたのです。事前に、8割以上の正解が合格、名簿登載前に面接をして会長推薦をするなどの説明がありました。名簿登載人数は、最初だからできるだけ多くと考えているようですが、今までの研修受講記録などを参考にしての面接結果によるので、まだまったく決まっていないとのことでした。

指定文献「河合隼雄のカウンセリング入門」「新版ハーバード流交渉術」「聴くことの力」と調停人養成教材の基礎編・中級編テキストからの出題とされていました。ざっと目を通したのですが、範囲が広くはっきりしていないために、無理して覚える必要がないと決めつけていました。久しぶりに、基礎編テキストを開きましたし、ロールプレイ中心の中級編では、テキストの内容にはあまりふれなかったので、はじめて読んだようなところもありました。

2時間集中するのは、結構大変です。横の女性が何か食べ始めたり、トイレに行く人が横を通ったりするのが、ちょっと気になります。問題に集中していれば、まったく気にならないのでしょうが、このところ試験慣れしていないので、気にかかってしまいました。しかし、一応回答をして、再度の見直しをしても、さらに時間が余りましたから、適当な集中だったのかもしれません。

解答集が配られたので、答え合わせをしたら、なんと12問も間違っていました。8問の間違いまでしか合格になりませんから、間違いなく確実に不合格です。そして、その後、解説されたのですが、なるほどと納得することばかりでした。できなかった問題には、自信があったものもいくつかありましたから、単に実力のなかっただけだと、その場ですんなりと諦めがつきました。しかし、「これまでに、テキストからの出題をなめるように細かくしたので、もう効果測定にテキストは使えない」といわれたのには困りました。次の効果測定で合格すれば、まだまだ、名簿登載には、充分に間に合うだろうと安易に考えていたからです。

レポートを提出すれば、点数を加点してもらえるそうです。しかし、4枚もレポートを提出して合格しても、自分で納得できないし、”本当は合格していないのだ”という変な後遺症が残ってしまいます。なぜか、面接は全員にするようですから、その前に再度の効果測定の場を設けて欲しいと思います。しかし、効果測定の当日に、不合格者から直接に要望するのもあまりに厚かましいので、黙っていました。それはそれとして、考えれば考えるほど、たぶん、同じ問題では、同じ間違った回答をしたに違いないという確信めいたものがあります。結果的には、不合格でしたが、今の本当の自分の力をはっきりとわからせてくれて、再挑戦する気にさせてくれた効果測定でした。

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2009年1月21日 (水)

スーパーバイザー養成講座

スーパービジョンの必要性

東京都行政書士会の2日間の研修を受講ました。ADRに関わって5年目の1期生から3期生までが一緒でしたが、スーパーバイザーの研修は、みんながはじめてですから、とまどいはありませんでした。しかし、スーパーバイザーという役割が、深い実務経験と重い責任をともなうことを知って、身が引き締まる思いはしました。ADRセンターの理念を遂行するために組織として必要なのでしょうが、実際に誰もがなれるような役割ではないことが、だんだんにわかってきたからです。

スーパーバイザーとスーバーバイジーは、スーパービジョンをします。ADRセンターの組織では、スーバーバイジーとは、対人援助職(感情労働者)である調停者・ケースマネジャー・トレーナーを指します。感情労働者は、「共感もえつき」や「紛争感もえつき」までいたらなくても、感情的にとても疲弊します。ですから、スーパービジョンをして、専門性の維持や危機管理をする必要があるのです。たとえば、感情労働者が、理想と現実のギャップに悩んだり、スキルにはしってしまったり、言い争っていた言動と同じ言葉を身の廻りで聞いたりして傷ついてしまったりしたときに、スーパービジョンをする必要があるのです。そうすることで、感情労働者は、自らの役割や機能を確認し直して、さらに専門性を発展させることができるようになります。

スーパービジョンの形態は、個人、グループ、セルフ、クライアントの前のライブなどがあります。日本では、スーパーバイザーがあまりいないこと、スーパーバイジーとの相性もあって出会いがとても難しいこと、などの理由があるために、スーパービジョンが進んでいないようです。しかし、だんだんとスーパービジョンの必要性が認識され始めてはいます。たしかに、プロの感情労働者が、いざというときに駆け込んでも、しっかりと受け止めてくれるようなスーパーバイザーは、そんなにはいないはずです。そして、スーバーバイジーは、通常、数人のスーパーバイザーをもっているということです。さらに、そのスーパーバイザーが、自分のスーパービジョンを受られるようなスーパーバイザーが必要になるのだということを聞いて驚きました。感情労働者というのは、本当にタフな職業だということなのでしょう。

スーパービジョンとカウンセリングや心理療法とは、少し違いがあります。カウンセラーは、クライアントの自己決定に関して、めったに責任を問われません。しかし、スーパービジョンは、スーパーバイザートスーパーバイジーが一緒に考えるので、その決定に関して、スーパーバイザーにも責任が出てくるのです。たとえば、スーバービジョンの記録を必ず残します。そうすることで、スーバーバイジーの目標である自己の気づきや能力を高める手助けをするのです。

研修では、守秘義務をいうことが強調されました。「スーパービジョンの課題」を講師に提出して、その課題をもとにしたグループをつくり、実際に自分の提出した課題についてのスーパービジョンをロールプレイなどしたからです。そのスーパービジョンの会話を録音して、あとで聞きながら、グループでいろいろ議論もしました。相手の欠点は、よく見えるのですが、自分については、ほとんどわかっていないことを指摘されて、改めて感じることがありました。とりあえず、ADRの養成講座を受講しましたが、その結果、はっきりわかったことは、「いかに未熟で、話を聴けていないか」ということです。これからも、自信はありませんが、その事実だけは忘れないようして、日常も含めて、「聴く」ことのトレーニングし続ける覚悟です。

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2008年12月24日 (水)

ADR中級編(3)

ヒント集

12月23日に中級編3日目を受講しました。特定した課題から選択肢を、ブレインストーミングの手法を使って、創造するというロールプレイから始まりました。調停人役は、それぞれの当事者役から、できるかぎりの選択肢を出してもらうのです。やってみて、課題が抽象的だと、選択肢が出しにくかったり、当事者でないと、具体的な改善策の実効性がわからないことなどを学びました。そんなときは、前に戻って、再度、課題の特定をし直したりしなければならなりません。やはり、調停人の力量がはっきりとわかるのは、課題の特定と選択肢の創造の場面だと実感したロールプレイでした。

「時間がないから帰るという当事者の場合、調停人はどうするか?」「突然、当事者でなく代理人が出てきたら、調停人はどうするか?」「偶然、調停人と当事者が知り合いだった場合、どうするか?」「一方的に偏った合意がされそうな場合、調停人はどうするか?」などの事例を、DVDで見てから、グループ討議をしました。それぞれでの状況が異なりますから、唯一の答えはありませんが、そんな事例を検討したことにとても意味がありました。いずれにしても、調停人は、当事者に信頼されるように中立公平でなければなりません。

ぶっつけ本番で合意書の作成をしました。ADRでの合意書には、執行力はありませんが、行政書士が作成するのですから、裁判の証拠に使われても恥ずかしくない内容でなければなりません。大まかな書式は、イメージできましたが、言葉の使い方などにもっと工夫が必要なことに気づきました。合意書を書くときは、調停も成功ということですから、最後の仕上げということになります。

最後に、中級編を総括して、調停のヒント集が配られました。「調停に備える」から「法律家との連携」まで、85ヶ条のヒントが書いてあります。講師から「これからは、自分で努力して、ヒントの数を100にして欲しい」という応援メッセージがありました。民間ADRは、これからどのように進むかわかりませんが、2,000年以上の歴史のある裁判制度と比べられることになるのは間違いありません。行政書士ならではの調停ができるように、さらにトレーニングを積んで、必ず100ヶ条にすることを心で誓いました。そのときこそ、調停の場に臨めるような気がしたからです。実践的な中級編を受講して、「今年の目標の一つのけじめ」がつきました。

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2008年12月22日 (月)

ADR中級編(2)

交渉ロールプレイ

12/21(日)中級編2日目を受講しました。スタートは、1日目の最後に2人1組で行ったロールプレイ分配型交渉についての振り返りです。そのときに「こんなときに調停人がいてくれたら」と感じた組が多かったようです。真剣にその役割を演ずれば演ずるほど、自分の主張に拘ってしまうからということでした。「共通の事実」とそれぞれの側の「秘密事項」を渡されてのロールプレイですが、お互いにかけひきするので、なかなかまとまらないのです。その後の講義で、最初に過大な金額を提示すると、アンカリングといって、決着した金額との差を損したように感じてしまうという交渉での心理を学びました。要求金額と落としどころが近づくようにするには、すぐに金額を提示しないことが大切だということです。調停人がいることで、金額を提示しない交渉が可能になるのです。

分配型交渉を学んでから、総合型交渉をロールプレイしました。そこでわかったのは、「自分の本音はいいにくい」「相手の本音はわからない」という2つです。だから、調停人が必要になるのです。ロールプレイを通じて「交渉の先に調停がある」ということが実感できました。ロールという役割をプレイすると、交渉している当事者の気持ちになることができます。当事者の気持ちをわからなくては、調停人にはなれないのです。

調停人が唯一できることは、プロセスコントロールです。たとえば、交渉が暗礁に乗りげたときに、調停をそれ以上進めないで、前に戻すようにします。けっして、無理はしません。当事者の主張、意見、本音を聴く段階に戻ってやり直すのです。そうして、調停で最も難しい「課題の特定」を根気よく当事者と一緒に考えるのです。自主交渉援助型調停の課題は、すべての当事者にとって中立なものでなければなりません。さらに、課題は、将来に向けて、当事者が取り組むことができるものが望ましいとされています。ですから、「課題の特定」が難しいのは当たり前なので、じっくりと取り組まなければなりません。

課題が決まったら、選択肢の開発をします。手法は、ブレインストーミングです。その後、選択肢の絞り込みとリアリティ・チェックをします。リアリティ・チェックは、実効性をチェックすることですが、そこで、はじめて、調停人の専門性を活かしての判断をします。その判断が唯一の場面ですが、行政書士の専門性を発揮する場面もあったのです。

当事者から選択肢が出ないときは、8つの質問が有効です。「相手にやってほしいこと」「自分自身ができること」「今すぐ」「将来」を組み合わせるのです。特に、「相手に今すぐやってほしいことは何ですか?」「相手に将来やってほしいことはなんですか?」という質問には、当事者から答えやすいようです。調停人のトレーニングを受講しなかったら、そんな場面になったときには、乗り切れないかもしれません。さすがに、基礎編とはレベルが違うと思いました。

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2008年12月20日 (土)

ADR中級編(1)

基礎編のおさらい

12月14日(日)に中級編を受講しました。去年の12月に基礎編を受講してから、すでに1年以上経っています。そこで、復習として「自主交渉援助型調停とは何か?」をおさらいしました。日本の裁判所手続では、第三者が介入する場面は、訴訟前の調停(前置と非前置)、付調停、裁判官による和解の3つがあります。民事調停数では、簡易裁判所が圧倒的に多く、地方裁判所の約10倍です。そして、終結では、約50%が成立しています。処理期間は、おおよそ3ヵ月です。現行の裁判所での調停と対比して自主交渉援助型調停を改めて見直すのですから、講義のはじめから説得力がありました。

「和解裁判官になるなかれ」といわれているそうですが、実際には、約30%が和解で処理されています。判決の前に、その裁判官自身が和解を勧めるのですから、当事者には影響力があるはずです。しかし、「判決こそ裁判官の仕事である」という意識も強いようなので、和解に後ろめたさを感じる裁判官が多いということです。

行政書士は、本来、話をじっくり聴くことができるはずです。法律に関するアドバイスをする際も、代理人として法廷に出るわけではないので、話の内容をよく聴いて、わかり易く説明しなければなりません。まして、相談者の頭のうえからの法律評価というようなスタンスは、とれるはずがないのです。だからこそ、促進型の調停を目指せるのです。要は、専門家から考えるアプローチではなくて、紛争の当事者から考えるアプローチを目指すということなのです。

基礎編では、調停人の技法として、パラフレージング(言い換え)、リフレーミング(要約する)などを学びました。難しくてとても使いこなせませんが、トレーニングして身につけなければ、いつまでもアクティブリスニング(積極的傾聴)をすることができないと信じ込んでいました。しかし、中級編では、まず自分の枠組みを揺さぶって、伝え手である相手の枠組みでとらえ、その気持をそのまま受けとめることがなによりも大事だと教えられました。技法は、知らなければならないのですが、相手の発言や行動にきちんと反応する基本が大切ということです。

中級編の講義は、あと2回あります。認証されたら、実際に、調停の現場を経験するのだからという熱い気持ちで講義をしてくれています。「製造物責任があるから、講義に熱がこもるのだ」という冗談にも、講師の真剣さが感じとれます。その思いに答えられるようになるには、きっと時間がかかるでしょうが、せめて熱意だけでも負けないように受講したいと思っています。

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2008年12月17日 (水)

育成編効果測定

場違い?

行政書士ADRセンター東京の手続実施者養成研修/育成編に参加しました。専門分野編のときのような研修をイメージしていたのですが、まったく違って、前に受けた3期生の基礎編のときのトレーナーたちが座っていたので、ビックリしました。なんと、トレーナーになるための育成編だったのです。会場は、行政書士会館の4階会議室で、参加者は、10名です。驚いたことに、基礎編、中級編、上級編(自己研鑽・外部トレーニング参加)を終了した後の育成編だったのです。一応、参加のためのFAXは前に送っていたのと、効果測定範囲として指定された5冊の指定文献は読んできていたので、帰るに帰れず、やむなく席に座りました。

1時間の講義後、休憩のときに、そっと「間違えたようだ」いったのですが、「遠慮しないで最後までいてかまわない」といわれました。そこで、観念して、最後の効果測定まで残ることにしました。センター長の講義のレベルが高いので、最初のうちは、ついていけなかったのですが、だんだんに流れがつかめるようになりました。要は、人を教育しようとする者は、自分なりの目的を持って、自分自身をつねに高める努力をしなければならないということです。そして、育成編の研修を終了してから、また、理論と技術を体得して基礎編に返るのです。

トレーナーを志すためには、「四不像」として、カウンセリングの技法、コーチングのスキル、交渉理論、そしてなによりファシリテーションの手法を学ばなければならないようです。さらに、哲学の素養も必要になると聞くと、道ははるかに遠いのですが、やり始めた以上は、とりあえず前に進むしかないような気になりました。確かに、本を読んでわかったつもりになっていても、実際の場面で使えなければ意味がありません。それには、失敗できるトレーニングを通して、身体に覚え込ませなけなければならないということなのです。

アクティブ・リスニングのトレーニングで、センター長に問われたことに答えられなかったのですが、答えを教えてもらったら、なんとも簡単な「キーワード」という言葉を聞かれていました。行政書士会のADRセンターが、いつ認証されるのか、まだわかりませんが、その日に備えての実践トレーニングが必要なことを実感したつもりです。将来、調停人として役に立つには、ADRの制度設計も知らなければならないだろう、と安易に考えて参加したのですが、場違いのところに座ったために、どうやらトレーナーたちの真剣さのお裾分けをいただけたようです。

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2008年11月24日 (月)

入管法に係る講習会(11/21)

届出行政書士としての注意点

東京入国管理局の審査管理、永住審査、就労審査の各部門による国際部の講習会に参加しました。実務に関してホットな情報が聞けるからです。各部門1時間づつの講義です。

審査管理部門からは、基本的な点の注意がありました。たとえば、神奈川在住の場合は、申請は横浜支局にするなどです。しかし、会社が東京にあり、ほとんどが東京在住で、たまたま神奈川に住んでいる場合などの一括申請も受け付けないのかという質問に対して、迅速な処理が目的なので、そんな場合は、東京で申請を受けるし、つねに実体に即した対応をするとの返答でした。本社が東京で、まだ登記していない大阪支店の場合でも、実体に即して、その申請は、大阪でしなくてはなりません。

本人署名でないと受理できない書類に、手数料納付書があります。納税者は、本人ですから、必ず本人の署名が必要なのです。行政書士が、安易に代わりにサインするようなことは許されません。

不許可処分ついて、理由の質問できるのは本人です。たとえば、配偶者から結婚破綻の連絡を受けて不許可にしたようなケースでは、本当の理由説明に困るようです。そんな時に限って、本人と同行してきた行政書士が、執拗に理由説明を求めるのだそうです。実質的な結婚生活が原則ですが、永住許可取得後の離婚などが増えていますし、偽装婚の通報も多いので、審査は慎重にしているのです。

永住者資格の審査は、6か月くらいかかっているようです。その間に、在留期限が切れると困りますから、更新申請も同時にしておかねばなりません。また、在留期間の要件を審査がしばらくかかると見越して申請するケースがあるようです。たとえば、10年だった場合、申請時にその要件を満たしていなければ、その時点で審査の対象にならないので、注意しなければなりません。

インドネシアとの2国間協定による看護師と看護福祉士の受入れがありました。8月に200名くらいが来日していますが、6か月の研修後、3~4年間に日本の国家資格を取得しなければならないそうです。また、看護福祉士は、基準省令の医療の在留資格にあたりません。来年は、フィリピンからの受入れもありますが、仕事をしながら資格を取らなければいけないというのも大変そうです。

来年卒業見込み留学生の就職関係の申請を、例年より早く受け付け始めました。IT告示があるので、文科系でも、日本の大学卒業であれば、SEなどの職種も可能です。その時は、技術ではなくて、人文知識・国際業務の在留資格になるとのことでした。また、面白かったのは、外国企業の部長以上で、投資・経営の資格で在留している場合、日本の会社と合併などした時に、メイドはどうなるのかです。認めるしかないというのが、審査官の考えでした。

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2008年11月 2日 (日)

ペット紛争に関する法的諸問題

行政書士ADRセミナー

ペット訴訟を専門にしている弁護士が講師だったので、楽しみに参加しました。13:30~18:30という長時間(2回休憩)が、いつものように眠ることもなく、あっという間にすぎました。内容は、講師自身が担当した判例解説からペット条例のポイント説明までとても幅広かったのですが、ペット紛争で注意しなければならない心得などが随所にあって参考になりました。特に、弁護士の口から「ペット訴訟は弁護士費用などを考えるとあまりすすめられないので、できるだけ話合いによる解決が望ましい」と聞いたことが心に残りました。

ペットは、法律上は物です。ドイツでは、物に準じた扱いとされていて、憲法でも動物愛護の精神が謳ってあるそうです。日本で最初の判例としては、明治45年交通事故による被害犬の購入金額500円が認められています。慰謝料については、ようやく昭和30年代になって認められはじめたようです。その額も、講師が担当した医療過誤裁判では、60万円まで認められるようになってきました。ただ、裁判官によって、ペットについての考え方がまちまちなので、訴訟すれば必ず勝てるとはいいきれないそうです。ペットへの愛情の度合を金銭で算定するのはなかなか難しいのでしょう。

動物占有者責任(民法718条)の飼い主の免責については、大正2年に判例が1件あるだけです。免責は認めないで、過失相殺で調整しているようです。たとえば、犬同士の喧嘩を止めようとして噛まれた原告と前にも人を噛んだことのある犬のリードを放して喧嘩をさせた被告に対して、原告6割、被告4割の過失とされた判例があります。この場合は、原告が犬にリードをつけないでいたからです。このとき、原告の犬は、その喧嘩には加わっていなかったのですが、そう判断されました。

意外だったのは、ペットショップとのトラブルて裁判になった例は少ないことです。不特定物売買か、特定物売買かという法律上の問題もありますが、買主がいかに納得するかという問題だからでしょう。ペットへの愛情がでる前なので、冷静な話合いで解決ができるからかもしれません。また、外国のように、店頭で衝動買いをさせないために、ペットの店頭売りを廃止する方向で検討もしているようです。

獣医療過誤は、昭和40年代から判例があり、ここ数年増えています。最近の多摩地区の動物病院の集団訴訟では、慰謝料20万円と購入価格(物的損害)50万円が同時に認められるなどしています。カルテの開示請求だけでも、人間なら個人情報保護法を根拠にできますが、ペットの場合は、信義則を根拠にするのでそう簡単ではありません。しかし、医療ミスがなくても説明義務違反を認め慰謝料30万円、死亡していなくても重度の障害が残ったとして慰謝料20万円などの判例がでてきています。また、簡易裁判所からは複雑な訴訟は移送されてしまいますが、大きな地方裁判所では医療集中部で扱う事案が増えているようです。飼い主も治療についての知識を持って、獣医との積極的な会話をすることが、ペットを護るために求められているのです。

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2008年9月13日 (土)

アメリカ人には調停が必要

調停者

世の中には、他人を助け、他人のために尽くすことを目的とする職業は少なくはありません。しかし、他人の役に立ち、なおかつ完全に公平であることが要求される職業となるとその数はそれほど多くないでしょう。そのうえ、それを実行する人も成長させるとなると、なかなか見つかるものではありません。調停は、こうした数少ない職業のひとつです。(1994年 レビン久子)

著者は、ボランティアの調停者として、アメリカのブルックリンで調停にかかわりました。そして、「やはり調停は必要だ」と実感するようになったのです。一般に、世界各地からやってきた人々で成り立っている国では、言葉や文化、習慣の違う人々の間に起こる揉め事は、話し合いより法律で解決するほうが簡単で手っ取り早いと考えられていました。

アメリカには、弁護士が多いのですが、それは成功報酬制度の効用です。裁判の資金が潤沢でない人が、賠償金を受け取ってから弁護士料を支払うという約束で訴訟を起こす成功報酬制度及び根拠法は、庶民にとって利点があります。しかし、そうして裁判が身近になっていればいるほど、日常生活で持ち上がるささいなトラブルや家庭内のいさかいまで、自分たちで解決しようとせずに、警察に訴えて裁判に持ち込もうとする風潮がありました。

弁護士は、戦術のひとつとしても裁判の進展を遅らせます。まして、依頼人が被告の場合、それは裁判の定石でもあるのです。時間を稼いでいるうちに、思わぬところから原告の弱みを発見するかもしれません。

アメリカでは、訴訟費そのものだけでなく、訴訟を回避するため、あるいは訴えられた場合の準備として莫大なお金が使われています。たとえば、ライアビリティと呼ばれる損害賠償保険です。有名なのは医者の不正療法保険ですが、ごく一般の人まで、訴えられて財産をすべて持っていかれることがないようにライアビリティ保険をかけるのが普通です。

調停が裁判に比べてどれほど安上がりかを描いた「訴訟を起こす前に」という本が、1984年に出版されています。調停者のネベルとジャーナリストのクレイの共著です。同じ話の進展に合わせて、そのつど使った費用と時間を数字で示しています。合計すると、調停にかかった費用は7550ドル、かかった日数は6週間です。裁判になると、6万ドル、4年5ヶ月かかっています。そして、訴訟費用の明細では、ほとんどが弁護士の活動費用でした。

時間と費用の節約のほか、調停には当事者の主体性を重んじるという利点があります。さらに、プライバシーも守られます。調停の実施前には関係者間で、もし和解が不成立でも協議の内容は一切他言しないことを約束するのが普通です。また調停不成立で裁判になっても、調停者は証言を拒否することができます。一方、勝つために金と力にまかせて押しまくる裁判では、当事者同士の人間関係は取り返しがつかないほど破壊されてしまいます。

著者は、自身でかかわった実際の調停のケースを例証にあげています。調停で解決しようと合意した時点で、当事者双方の心に相手に対する協調性が芽生え、その気持を下地にして、和解に向けて方策を話し合うのです。両者の誤解や悪感情が減少しないはずはありません。アメリカでは、調停の利用者が増えるにつれて、紛争解決能力が裁判に劣らないことが明らかになりました。そして、裁判と調停のどちらも自由に選択できる仕組みが進んでいます。

”<ブルックリンの調停者>から引用しました”

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2008年8月30日 (土)

ADR実務担当者研修

実務担当者と手続実施者

東京都行政書士会ADRセンターから、実務担当者研修のお知らせが届きました。手続実施者専門分野編の研修が、8/23(土)に終わったばかりです。認証取得のための準備がスピードアップしてきているのでしょうか。ADRセンターの研修担当者は、忙しくて大変だろうと気の毒になりました。

法律実務編、認証手続編、育成編ですが、手続実施者名簿搭載のためには、今回の研修参加は、条件とはなっていないと断り書きがついています。トレーナーや講師になるのは、今あまり考えられないのですが、ADRの法律実務は、いずれにしろ必要だと思いました。基礎編の研修の際に、一通りADR法の説明があったくらいだからです。今回も効果測定があるので、少し準備しなければならないのですが、参加することにしました。

実務担当者とか手続実施者とかの役割はある程度理解しているつもりなのですが、行政書士としてADRにかかわる以上、どちらも知らなくてはならないと思います。専門分野を生かして調停人を目指すにしても、行政書士としてのADR全体像を掴まなければならないはずです。そのために必要な知識やスキルは、やはり研修に参加しないと得られないような気がしています。

関西の行政書士会は、ADRに関しては、どうも東京都とは違った方向を考えているようです。それでも、行政書士がかかわるADRであれば、他の士業と協力してもかまわないと思います。要は、どちらの味方とか代理人とかでなく、公平な第三者として、紛争当事者同士が納得して合意できるようなプロセスを組み立てることが大事なのです。

役割を他の士業と分担してもしなくても、紛争が解決して実績が積み重なれば、関与した行政書士の評価や必要性が認められます。ADRは、当事者の意見をよく聴かなければならないので、行政書士業務の延長ともいえるかもしれません。ADRによる調停の申立てをして、一方の当事者が応じた場合は、80%くらい解決の見込みがあるようですから、行政書士の得意技を生かすチャンスだと思います。

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2008年8月24日 (日)

外国人の就学・就労

専門分野研修

東京都行政書士会ADRセンターによる手続実施者養成研修に参加しました。専門分野として外国人の就学・就労問題がテーマで、効果測定もあります。入管法は、約2週間かけて再読して準備したのですが、あまり役には立ちませんでした。入管手続きは、行政書士の得意分野ですから、現実的で具体的な内容だったのでとても参考になりました。たとえば、病気療養で帰国できない場合は、在留資格は「特定活動」とか、専門士の資格は、出国するとなくなるので再度取り直さなければならないとかです。

更新申請中に在留期間が過ぎると、外国人登録証明書では証明できませんが、パスポートには更新申請中の印が押されるので、そのときはパスポートの携帯をする必要があります。それでなくても、在留期間がある外国人なのですから、もっと行政書士として勉強して外国人のお役に立つようにしようというのが最後のまとめでした。確かに、不注意で不法残留者などになってしまうと、出国しなければならなくなって、その外国人の人生までが変ってしまうかもしれません。

「高度な資格・能力を要する職種の労働者は、積極的に受入れるが、いわゆる単純作業の受入れは慎重にする」という公式見解はありますが、実際は、「圧倒的多数の単純作業労働者」と「ほとんど拡大しない高度資格・能力労働者」という図式が固定化しています。1989年に改正された入管法で新設された「定住者」という資格による日系人労働者の受入れなどのためです。改正雇用対策法(2007.10.1施行)や労働契約法(2008.3.1施行)などで、外国人の雇用についても基本的なルールができつつあります。しかし、在留資格や在留期間の制限がありますから、日本人とはどうしても異なります。

ニューカマー

在日韓国・朝鮮人(オールドカマー)に対して、1989年の入管法改正を契機にニューカマーとしての外国人が急増しました。国籍は、中国、ブラジル、フィリピンなどです。韓国・朝鮮籍のニューカマー(2006年で約18万人)もいますが、オールドカマーの帰化、日本人との結婚、少子化で、韓国・朝鮮籍の子どもは減少しつづけています。14歳以下の子どもでは、ブラジル籍(約5万人)、韓国・朝鮮籍、中国籍、フィリピン籍の順になっています。ニューカマーは、定住化志向がとても強いことも知られています。

ニューカマーは、労働者として働き、日本語を学ぶ時間はありません。子どもも第二言語としての日本語ですから、日本の義務教育にはついていけません(不就学児童になります)。歴史的にも、恩恵的に入学を許可していたのであって、もともとが日本の国民を教育する公立学校だからです。しかし、2003年に文部科学省は、本国政府が認定したインターナショナルスクールなどの卒業生に対して国立大学の受験資格を与えることを認めています。ニューカマーの急増で、外国人の子どもの教育問題が質的に変化しているようです。

外国人の就学・就労というテーマは、オールドカマーのような一つの言語としての日本語、恩恵としての普通教育の提供という従来のスタンスではとても解決できません。入管局が入国審査で単純作業労働者をどんなに認めなくても、国内で否応なく大量発生する単純作業労働者の問題だからです。そんな日本で通用する学歴もなしに、日本に定住している外国人の若者に対して、行政書士として、なにができるかを考えさせられた意義のある研修でした。

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2008年8月11日 (月)

研修と効果測定

専門分野編

ADRの公的認証をとるために、基礎編と中級編の研修を受講した東京都行政書士会のADRセンター会員を対象にして、名簿搭載のための効果測定を行っています。手続き実施者の候補を選抜して、認証資料にする必要があるからです。専門分野編は、なぜか基礎編だけを受講した3期生でも参加を認めてくれるので、第一回7/5の「敷金・原状回復」第二回7/19の「動物法務」の研修と効果測定を受けました。

「敷金・原状回復」は、仕事として宅建業務をしていますから、自分でもそれなりの知識があり、実際に実務も経験しているので、一応専門分野のつもりでいました。しかし、効果測定の前の研修では、敷金精算の計算式(素材の㎡あたり単価×一面の面積×経年変化による減価割合%)のようなガイドラインを基礎にした査定方法などの行政書士的な切り口の考え方にも触れ、とても参考になりました。現実では、訴訟前の段階では、宅建業者やオーナーが窓口になって苦労して交渉をしているケースがほとんどですが、将来は、公平にロジカルに第三者としての行政書士が、この分野に参入可能なのかもしれません。効果測定は、20問あり、16問以上の正解が必要でした。

「動物法務」は、動物愛護管理法などの参考書を何冊か読んでから参加しました。マンションなどでペットのトラブルが深刻になっているので、関連の法律を体系的に知る必要を前から感じていたからです。しかし、研修は、考えていたよりも実務よりで、謝罪のタイミングとかペットを理由にした感情の対立が50%以上とかの具体的経験的な内容もありました。また、猫や犬の問題行動などを細かく解説してくれたので、ためになりました。効果測定は、出題者が判例などを多く取り入れて問題が凝っていたためか、没問が3問ありました。

第三回8/2の「自転車事故」は、当日大田区マンション管理セミナーがあり、参加できませんでした。自動車の運転は、怖いでできるだけしないようにしているのですが、自転車は、もっと怖く、どうしても乗らなければならないとき以外は乗りません。道路交通法も改正されて、興味があったのですが、時間帯が重なるので残念ながらパスしました。

最後の第四回8/23「外国人就労就学」があります。大田区は、もともと外国人が多く住んでいるですが、さらに羽田空港の滑走路拡張などもあるので、ますます増えそうです。実務としても、取次申請の資格も持っているので、通常の申請はできます。また、宅建業でも、信頼関係が大切な住まいに関して、外国人問題がこれから多くなると考えています。夏休みで、ホームページからの問合せもあまり見込めないのと、新しい物件情報も少ない時期なので、時間がありますから、再度入管法を読み直して研修に参加してみようと思います。

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2008年4月24日 (木)

行政書士業務の拡大

平成20年行政書士法改正による代理業務の拡大

今年7月1日に施行される改正法によって、行政書士が「契約代理」「申請代理」「聴聞代理」ができるようになりました。例外として、第一条の三の条文にある「法律事件」は、弁護士法第七十二条によってできません。ただし、それも法的紛争事件に限定できます。契約協議はできますが、紛争性のある契約交渉はできません。たとえば、行政不服申立ての代理や調停人としての手続き実施はできませんが、紛争化している事件以外であれば代理ができるようになったと解釈できるということです。

申請書提出手続「において官公署に対してする行為」(代理を含む)の代理も法定されたと解されます。その根拠は、第一条の三「の手続において当該官公署に対してする行為(弁護士法・・・)について代理すること」と文理解釈できるからです。ですから、行政手続法に基づく申請人の権利を代理人として行使できることにもなります。たとえば、行政指導書の請求、申請審査状況の照会の代理もできるのです。そうなれば、時間がなくて許可を急いでいても行政と対立したくない依頼者なら、行政書士に任せてくれそうです。

法定外業務

「法律相談」という文言は、弁護士法第七十四条の二、七十七条に触れるので、「法規相談」「法律知識を教える」とかの表現にしたほうがいいそうです。それでも「まちの法律家」は問題ないというのは、ちょっと不思議な感じがします。まして、包括委任状をもらったら、法定外業務でも依頼を受けられるのです(紛争事件・法律相談は除く)。その根拠は、憲法の営業の自由で、誰でもできるのだから限定の意味がない業務だからとなるとこれまた複雑な気分です。

法定外業務でも、行政書士の守秘義務は適用されます。行政書士として業務をする以上当然のことです。ただ、「契約協議」とか「話し合い」は業務範囲内で、「契約交渉」は紛争性があるから範囲外だといわれても(言葉としてはなんとなくわかるのですが)、具体的なイメージがよく掴めません。紛争性がないはずだった話し合いが、もつれて紛争になることはあり得るのですから、そうなったら行政書士の役割はそれまでと考えるのでしょうか。話し合いと紛争の中間にあるはずのグレーゾーンではどうしたらいいのでしょうか。腹をくくって訴訟寸前まで粘ってはいけないのでしょうか。そんな状況になったら、誰かに決めてもらうような問題ではないと思いますから、行政書士として冷静に客観的に自己判断をしたいと思います。

”東京都行政書士会主催<行政書士法の改正と行政書士業務の拡大>講習会を引用しました”

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2008年3月12日 (水)

入管法強制退去の研修会

概要と現況について

「平成16年からの5年間で、不法滞在者を半減させる」という政府目標があるのですが、減少数は、この4年間で69,633人だったそうです。平成20年1月1日現在では、不法残留者数は149,785人(前年比12.3%減)です。韓国が一番多く31,758人(構成比21%)です。次いで、中国25,057人、フィリピン24,741人で、この3国が突出しています。入国審査の厳格化、摘発強化、入管法65条引渡し、退去強制などのいろいろな施策で、法務省入国管理局は最後の1年を目標達成のために努力しているのです。

平成19年に退去強制手続(出国命令手続を含む)を執った外国人は、45,502人で、これらの入管法違反外国人のうち、不法就労に従事していたのは、36,982人でした。退去強制手続を執った外国人の81.3%にあたります。国籍別では、中国が最も多く、フィリピン、韓国、インドネシア、タイの順になっています。

稼働場所は、関東地区が67.5%と最も多いのですが、中部地区が21.7%(前年18.3%)で増加しています。また、不法就労者の就労期間は、5年超が全体の31.5%で増加していて、1年以下が23%で減少しています。入国審査の厳格化の効果と考えられているようです。

留学資格別では、短期滞在が102,069人(構成比68% 前年比マイナス13%)です。次いで、留学(構成比4.5% 前年比マイナス10.5%)、興行(構成比4.4% 前年比マイナス18.8%)です。興行については、やはり入国審査の厳格化の影響と思われています。

出頭申告

出頭申告には、帰国希望と滞在希望があります。通常は、本人が自分の意思で出頭申告してきたのですから、違反調査審査中ということで、仮放免許可を与えて、収容しないで在宅という措置になります。しかし、あくまでも仮放免の措置ですから、連絡しても連絡がつかなかったりすると、取消対象になるので注意しなくてはなりません(どうも違反調査の審査中という立場の意識が少ないようです)。

在留特別許可を安易に考えているという指摘がありました。たとえば、審査前に夫婦としての打合せをしているような場面があったそうです。そんな打合せをしなくても、一緒に生活していれば、朝なにを食べたかとかの質問にすぐ答えられるはずではないかというのです。たとえ出頭して来ても、悪質なケースは厳しく取締る方針というのは文句なく頷けます。正規滞在者でないから出頭申告するのですから、審査の結果で退去強制になっても仕方ないということです。それが怖くていつまでも出頭しないうちに摘発されたりすると、収容されて出国命令になります。ですから、もしも相談されたら、なにしろ急いで出頭申告するように勧めるのが本人のためになると思いました。

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2008年2月16日 (土)

行政書士申請取次事務研修を修了

行政書士申請取次

外国人は、原則自ら地方入管局に出頭して、申請書類を提出しなくてはならないと施行規則で決められています。同一人かどうか、申請は本人の意思か、などを確認するためです。しかし、外国人が仕事で忙しかったり、企業が外国人の雇用を急いでいたりする場合は、本人出頭を免除するという申請取次制度があります。一定の企業、学校の職員、弁護士、行政書士などが申請人に代わって申請書などを提出することが認められるのです。弁護士や行政書士は、所属の弁護士会や行政書士会を経由して、地方入国管理局長へ届出しなければなりません。行政書士会主催の申請取次事務研修会に参加して修了証書をもらっている者が、その届出をして、届出済証明書をもらうことができます。

届出済証明書がないと入管業務ができないので、昨日の研修会に参加しましたが、全国から500人くらい集まっていました。(年に何回かしか研修会を開催しないので、地方からも集まるのです)。朝の10:30~17:00までの研修会では、最後に考課測定もあるというので少し緊張して参加しましたが、司会から朝の挨拶で参加者全員に修了証書は渡すと聞いて拍子抜けしました。

東京都入国管理局員からの講義は、入管法入門書の内容でしたが、いよいよ実務という思いがあったせいか、臨場感が伝わってきました。女性入国審査官の講義は、二度目だったのですが、以前ほど行政書士に対して攻撃的でなかったのが印象的でした。弁護士のあまり算入していない分野なので、違反したり、横暴で怠慢な行政書士が一人でもいると他の行政書士の迷惑になるということのようです。入管法をよく勉強してから申請取次をして欲しいいう正論は、ちょっと耳に痛く聞こえました。

奥の深い業務分野

ベテランの行政書士から、外国人という人間を取り扱う業務なので、その人の人生がかかっているような場合があるという体験談も聞きました。外国人ブローカーが行政書士を利用しようとするという具体例もありました。現在の入管法では、外国人が親を呼び寄せて一緒に暮らすということは難しいという事実例や、文化活動の積極的な活用法など興味深い内容でした。最初から難易度の高い実務ができるとは思いませんが、どんな簡単な申請でも、慎重にしなければならず、万が一にも油断しての間違いなどを起こしてはならないことだけはわかったような気がします。

真摯に依頼人の希望達成にを努力しますが、決して無理をしすぎてはいけないということを研修会で学んだように思います。無理をすると、結果として依頼人のためにもならないからです。認定などの判断は入国管理局員がするのですが、一日2,000人以上の申請を受付けていれば、自ずから基準もあるし、根拠もあるはずです。正攻法で正面からぶつかって(やるだけやって)申請が通らなかったら、すっぱりと諦める以外に方法はないようなのです。そこで、悪あがきなどしても、もうどうにもならないようです。入国審査官からの、行政書士の顔パスは効かないので、届出済証明書を忘れたら受付しないという言葉が、それを物語っています。

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2008年2月13日 (水)

行政書士業務はADR?

示談書

示談書は、紛争を再度起こさないように作成されるものですが、その時点でもまだ紛争が続いている場合も多いものです。もともと示談書という書類を作成するという行為は、事実行為であって法律行為ではありません。もしも当事者片方の代理人になって示談交渉などすれば、弁護士法72条で禁止されている行為(非弁活動)になってしまいますから、行政書士には代理はできないのです。でも当事者双方の話を聴いて、専門家としてのアドバイスをしながら示談書をまとめることは、弁護士法違反にはあたりません。さらに踏み込んで考えると、紛争を示談書にまとまるというその過程こそが、行政書士が関与するADRそのものではないかとも思えるのです。

弁護士法72条は、「・・一般の法律事件に関して鑑定、代理、仲裁もしくは和解その他の法律事務を取り扱い、またはこれらの周旋をすることを業とすることができない」と規定しています。法律事件と明記しているのですから、事件性のある争訟性のある法律事務は弁護士の独占業務ですが、争訟性のない法律事務は弁護士の独占業務ではないのです。ですから当然、争訟性のない法律事務は、行政書士にも取り扱えるということになります。まして示談書の作成は、法律行為でなく事実行為なのですから、問題なく行政書士も取り扱えます。

行政書士の代理業務に争訟性のある法律事務の代理は含まれませんから、たとえば債権の取り立てのための内容証明郵便を代理人として発することはできません。事実行為としての内容証明郵便ではないからです。代理人として内容証明郵便を発することができるのは、観念の通知としての争訟性のない内容証明郵便だけと考えてもいいと思います。実際に業務として内容証明郵便を代理人として扱っている行政書士もいるようですが、弁護士法に抵触するのではないかと心配しています。

業務の進め方

行政書士は、中立の立場でどちらの味方でもなく、双方当事者の主張をよく聴いて辛抱強く合意点を整理していきます。代理人ではありませんから、常に公平な第三者としての立場に徹する必要があります。仲裁ではないので、法律鑑定を加えて和解させるということは、行政書士には許されていないのです。和解や合意は、あくまで当事者の主体的な意思と判断でなくてはなりません。だからこそ行政書士のADR?は、当事者双方がwin-winになれて紛争の再発も予防できるのです。

紛争を法律手段を使わないでも解決することができるのだという好事例が、もっと浸透して一般に知られるようになったら、さらに行政書士への評価は高まると思います。現実には、示談書の作成業務などで実際にやっているのに、行政書士も依頼人もその意味をあまり深く理解していないのではないでしょうか?ですから、行政書士は、ADRという内容をもっとよく知る必要と、その手法をもっと効果的に業務に反映させるためのトレーニングを実践しなくてはならないと思うのです。

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2008年2月10日 (日)

建築業許可申請の最初のチェック

28種類の業種

なにごともそうですが、最初の確認が大事です。土木一式、建築一式の許可を持っていても、専門工事の許可を持っていないと、500万円(税込)以上の専門工事を単独で請け負うことはできませんから、まず、業種は何かを確認します。

次に、経営業務の管理者と専任技術者が、常勤でいることが必要ですから、その確認をします。経営業務の管理責任者は、原則として許可を受けようとする建設業に関し5年、許可を受けようとする建設業以外に関して経営業務の管理責任者としての経験を7年有する者です。専門技術者は、所定学科高校卒業後5年大学3年あるいは実務経験10年です。これらの要件が満たされないと、申請までたどりつけません。

取り揃える書類は、

  • 会社定款
  • 会社謄本(3ヶ月以内、目的にその業種がはいっているかを確認します)
  • 決算書または確定申告書(完成工事高3年分が必要になります)
  • 会社なら法人事業税納税説明書、個人なら個人事業税納税証明書または納税証明書その2
  • 監査役を除く役員の履歴書
  • 経営管理者、専任技術者の住民票・資格証明書など
  • 工事実績のわかる注文書など
  • 500万円以上の預金残高証明書
  • 従業員数(技術と事務を別に)
  • 工事経歴書作成の資料
  • その他(たとえば所属建設業団体などです)

許可区分には、一般建設業と特定建設業があります。一般建設業は、3,000万円未満の請負で、工事のすべてを自社で施工します。特定建設業は、3,000万円以上(複数の下請け業者に出す場合は、その合計額)です。

実務になると、建設業の種類には、とび・土工工事業と石工事業などと判りにくい内容がありますからよく注意しましょう。まずは、これだけのチェックをしたほうが、申請がスムーズになるようです。

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2008年2月 7日 (木)

気分よく feel good

調停は当事者を気分よくさせる

1960年代に米国で調停の再利用が始まりましたが、当時の調停人は、調停のプロセスを通じて対立する当事者が、個人の尊厳と人間愛の精神を体験することを願ったそうです。争いは、当事者が気分よくならなくても解決はするのですが、気分よくならなければ問題の根本的な解決ではなくて、紛争は時間の問題で再発するだろうと考えたのです。そして40年経った現在は、この考え方は紛争解決の枠を飛び出し、広く一般社会に浸透し始めています。そのように調停に期待を託したのには、二つの説明ができます。

一つは、反体制運動をはじめとする迫り来る多文化社会に相応しい個人の尊重と人間愛の精神です。もう一つは、その作業に携わった人たちが司法関係者ではなかったという事実です。そのために法律に縛られないで、何が現実になされなければならないかを考えることができたのです。

米国調停では、調停の実施や和解策の選択だけでなく、その続行も当事者に委ねられると考えますから、調停開始後は、中止する自由や調停人を変える自由も認められています。このように、当事者の任意性を一貫して補償して、しかも相手を非難しないという紛争解決方法は調停だけですから、当事者は調停を身近に感じることができて、気分よくなることができるのです。

さらに、任意で話し合う当事者は、相手の自分に対する不信や不満を聞き、自分の相手に対する怒りと失望を抑制しなければならないのですから、大変な努力が要ります。調停人は、そのような態度で話し合う当事者を尊重し公平に遇しますから、人間性の良い面に重点を置いた話し合いといえます。だから、調停では、当事者だけでなく調停人も気分よくなれるのです

善意の感染源

贈与には、贈り物と貢物の2種類があります。贈り物は、愛から生まれる善意の表現ですから、受け手に自分の資産が減少したからと代償を求めません。一方、貢物は、恐怖や脅迫から生まれる資産の移動であり、送り手と受け手を不安に陥れて不信感や悪意を生んでいきます。

贈り物は社会感染力があるので、それによって善い社会になります。なぜなら、受け手の心にも送り手に対する無意識の債務感が生まれますから、善意のお返しをする機会が求められるのです。そこで双方の間に好意、信頼などが育まれて、その債務感の相乗効果が、第三者にも拡大していきます。そうしてだんだんに相互に善意を抱き合う集団になっていくのです。そのときの贈り物の最初の与え手を善意の感染源といいます(ボールディング)。

双方が勝つwin-winは、当事者双方が自分のニーズを満たすということです。1989年ブッシュは、調停とは裁判手続の簡素化や費用の低減ではなく、当事者の寛容だけを目的に行われるべきで、そこにこそ調停の実践意義があると言っています。

裁判と調停は、判決の持つ強制性と調停の持つ任意性という相反する性質があります。調停と比較対照することによって、裁判の役割、目的、利点もより明確にできますから、どのような事件でどちらが優秀性を発揮できるかという視点に立って考えるべきです。(「紛争管理論」から引用しました)

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今日からblog

今日からブログ

ホームページ「平和島・大森不動産」の社長ブログが不評です。

「不動産以外の難しいことなんで書くの?」「個人の趣味で書いている気がするけど?」とかのささやき声?が徐々に大きくなって聞こえてきました。本来は、賃貸物件の内容を毎日更新し、それを応援するための社長ブログだったのですから逆効果です。また、今年になってホームページの掲載物件についての問合せもまったくありません。そこで一週間考えましたが、原点に返って、社長ブログは不動産関連だけにすることにしました。

昨年3月から行政書士事務所を開設しているのですが、11月ホームページ公開とそれ以後の物件情報の数や内容の充実(まだまだプアーな内容なんですが)などでバタバタして今日まできてしまいました。ちょうど社長ブログ以外にこの新規ブログを始めることにしたのですから、心機一転して行政書士としての業務も開始したいと思います。

行政書士の業務範囲を聞かれていつも困るのですが、弁護士・司法書士などと違って法的に制限業務が決まっていません。官公署に提出する書類その他を業としておこなうとされているので(代理人としても作成はできます)、独占業務は何?と聞かれると、ちょっと説明が難しいのです。

社長ブログでは、あまり私的な出来事や関心事は謹んできました?(ここのところを批判されているのが、まだわからない?という声がきこえるようです)が、ホームページにリンクしていないこのブログでは少しは許されると思います(興味がなければ無視すればいいのですから)。家庭内の私的なことは別にして、興味のあることや忘れられない言葉なども書きたいと思います(公序良俗に反しなければ、もう誰に遠慮もいらないのです)。ホームページの応援は、陰ながらできればいいのですから、今度は気が楽?です(別に今までもそんなにプレッシャーがあったわけではないのですが、わかり易いこだわり賃貸ネットにするという大義名分を優先したということです)。

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